エン・ジャパンは25日、「ミドル層が成長できる企業の見極め方」についての調査結果を発表した。同調査は9月1日~12日の期間、同社サイトを利用している転職コンサルタント100名を対象に実施したもの。
経営戦略の重要性も指摘
「ミドル層が成長を実現できる企業はどのような環境が多いか」という問いに対し、もっとも多かったのは「社員一人一人の裁量権が広い」(62%)というもの。具体的には「裁量があるほど発揮できる力の幅や厚みが出てくる」「個人が自ら考えて行動することができる」「従来の横・縦割り、保守的な組織では成長は見込めず、グローバルにも戦えない」という理由が挙がっている。
2位以下は「企業の目標・ビジョンが明確」(53%)、「経営者にリーダーシップがある」(44%)と、経営戦略の重要性を指摘するものが上位となった。
「成長できる環境のある企業は、社員にどのようなことを求めるか」については、「チャレンジングな目標掲示と、達成への強い執着心」(68%)、「主体的に自分を成長させようとする姿勢」(67%)、「慣習にとらわれない柔軟な思考」(53%)がトップ3にランクインした。具体的には「成長=変革が求められる」「圧倒的成長を求める企業は、大抵多くの負担を社員に課す」「現状を打破するためのインプットとアウトプットを推奨する環境が成長環境」等のコメントが寄せられた。
どの業界・企業だとより成長できる?
「ミドル層が成長を実現できる企業はどのような業界に多いか」という問いでは、「メーカー」(43%)がトップ。2位以下はほぼ同率で「建設・不動産」(32%)、「IT・インターネット」(31%)、「コンサルティング」(30%)という結果となった。
「ミドル層が成長を実現できる企業はどのようなタイプの企業が多いか」という質問では、「ベンチャー企業」(48%)、「日系グローバル企業」(47%)、「外資系企業」(40%)が上位となった。
「ベンチャー企業」については「変化に対するスピードを持った対応力がある。上場・大企業は物事の決定に時間がかかりすぎる」「少人数で何でもこなさなければいけないが、若手より経験豊富で、意識があって工夫できる人は成長できる」「中小ベンチャー企業側が急激な成長に伴い、幹部の人材不足に陥り、若手社員の採用よりもミドル層のマネジメント力をもった幹部社員の採用を強化している」という声が上がった。「日系グローバル企業」は、「国内では難しくても海外なら組織のトップのポストがある」「海外展開がある企業は、駐在などの管理職クラスで経験を発揮できる機会が多い」「海外に販路を求める中小企業で大手企業での海外進出のノウハウが生かせる」などの理由が寄せられた。