働く社会人にとって、つかの間の休息時間を与えてくれる、缶コーヒー。最近、その缶コーヒーでいわゆる“プレミアム”を謳う高級志向の商品が相次いで発売されている。

例えば、サントリーが9月に発売した「プレミアムボス」。115円(税抜)という通常の価格帯の缶コーヒーながら、ブランド史上最高峰のコクが味わえるというのが売り文句だ。一方、キリンが11月に発売したのが「別格 希少珈琲」という200円(税抜)の缶コーヒー。缶コーヒーとしては高価格でありながら、希少黄金豆を使用したこだわりの商品で、消費者の注目を集めている。さらに、ダイドーが8月から販売しているのが「泡立つデミタスエスプレッソ」。缶を振るだけで泡が立ち、淹れ立てのような味わいが楽しめるコーヒーに仕上がっている。

これらの缶コーヒーは人気タレントを起用したCMも話題のひとつだが、やはり気になるのは各商品の味。そこで本レポートでは、ジーユーエヌが実施した、本格的なコーヒーを毎日淹れ、自身もコーヒー好きだという東京都内のカフェに6カ月以上勤務する男女30人に、「プレミアムボス」、「泡立つデミタスエスプレッソ」、「別格 希少珈琲」といったプレミアム缶コーヒー3つの“味わい”を「香り」「コク」「苦味」「甘さ」「酸味」で評価した調査結果を紹介したい。

その結果、「甘さ」は「プレミアムボス」が8.4点となり、「別格 希少珈琲」の6.6点と「泡立つデミタスエスプレッソ」の3.0点を大きく上回った。また、それ以外の項目4つについては「泡立つデミタスエスプレッソ」がすべて最上位となった。また、それぞれの製品を飲んだ第一印象については、「飲みやすい」「甘い」「よく飲む味」(「プレミアムボス」)、「エスプレッソの苦味がしっかりひきだされている」「味が濃くて大人な感じ」「甘すぎずとてもおいしい」(「泡立つデミタスエスプレッソ」)、「牛乳の感じと甘さはちょうどいい」「ミルク感が強い」「カフェオレみたいな味」(「別格 希少珈琲」)といった意見があつまり、それぞれの個性がわかる結果となった。

さらに、5項目以外の質問について、「飲みやすさ」と「口当たりが良い」では「プレミアムボス」がともに90.0%の「そう思う」+「ややそう思う」との回答を獲得し、首位に。「深みがある」、「淹れたてのコーヒーに近い」といった"本格的なコーヒー"という点では、「泡立つデミタスエスプレッソ」がそれぞれ80.0%、50.0%を獲得し、もっとも高い評価を記録した。一方、「別格 希少珈琲」は「パッケージが斬新で良い」という点において70.0%の票を得て、トップになった。

このように、項目ごとに1位を獲得する製品が違うといった結果から、各商品それぞれのこだわりが感じられた。ますます勢いが増していきそうな予感を感じる“プレミアム缶コーヒー市場”から、今後も目が離せない。