ユースキン製薬とよしき皮膚科クリニック銀座 吉木伸子院長はこのほど、2014年2月に共同で実施した「かかとを中心としたフットケアのモニター試験」の結果について明らかにした。
同試験は、長年繰り返す頑固なかかとの荒れに悩む12名を対象に、2014年2月6日~20日にかけて実施した。毎晩ビタミン系クリームを右足のみにマッサージしながら塗ったあと、靴下をはいてもらい左右の差を確認した。その結果、ケアを始めて4日目には、ほぼ全員でかかとの症状の改善が見られたという。
吉木伸子院長に尋ねたところ、かかとがかたくなる原因は「肌の誤作動」であるという。足の裏は皮脂腺がないため乾燥しやすい部分だが、洗いっぱなしでケアをしない人が多い。
「乾燥などで肌表面の角層が乱れると、肌内部の水分が蒸発しやすい状態になります。肌内部の水分が十分でないと、肌は乱れた角層を修復するために急いで角質細胞を作ろうとします。こうして作られた細胞は未熟で不完全なため、機能も正常に働きにくくなります」。
その機能を補おうとさらに角質細胞が作り続けられ、未熟な厚い角層が作られる。この乾燥と角化の放置により、引き起こされるのが「肌の誤作動」で、皮膚科学では「錯覚化」とも呼ばれている。
肌の誤作動を助長させ、かかとの荒れを重症化させる要因として、同社は6つの点を挙げている。「季節的な乾燥」「暖房器具」といった乾燥のほか、底の薄い靴を履いて「足裏が衝撃を受ける」こと、削りすぎなどの「間違ったケア」などの外的要因もある。また、「加齢」や「体質」なども原因になるという。
厚くなった角層は、ただ保湿クリームを塗るだけではうまく浸透しない。血行促進効果のあるビタミンE配合のクリームを用いた「マッサージ」や、塗ったあとに靴下を履くなどして患部を密封し、クリームを肌にしっかり浸透させることが大事とのこと。これらの方法は、皮膚科の現場でも実際に使われている療法だという。