人気アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズのプラモデル「ガンプラ」の世界一を決めるコンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ(W杯)2014」の日本大会決勝戦の表彰式が23日、東京・秋葉原UDXで行われ、日本代表の2名が決定した。

左より海老川兼武氏、オープンコース第2位のRO KUさん、ジュニアコース日本代表の畑めいさん、オープンコース日本代表の三木義久さん、オープンコース第3位の谷田部岳史さん、川口克己氏(川口名人)

2011年より開催されている「ガンプラビルダーズワールドカップ」は、今年で4回目を迎え、ガンプラの工作や塗装技術、アイデアを競っていくバンダイ取材の国際大会。今年は日本、中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、北米、イタリアの13カ国、地域が参加する。それぞれの予選を勝ち抜いた代表が、12月21日に東京・台場の「ガンダムフロント東京」で開催される世界大会決勝戦に臨む。

『ガンダムビルドファイターズ』などでメカニックデザインを手がける海老川兼武氏(左)と川口克己氏

審査を担当したバンダイホビー事業部の馬場俊明氏、長谷川淳氏、岸田博文氏

昨年は、日本代表がオープンコースで世界一の栄光に輝いたこともあり、今年のオープン部門の応募数は170%と急増。一次、二次審査を勝ち上がってきた、オープンコースの最終候補25作品とジュニアコースの最終候補5作品が「ガンプラEXPO 2014」の会場内で展示され、川口名人こと川口克己氏をはじめとしたバンダイのホビー事業部による審査と「ガンプラEXPO 2014」の来場者投票を集計して、日本代表が発表された。

『ポケ戦』のケンプファーで畑めいさんがV4を達成

表彰はジュニアコースから行われ、過去3回日本代表に選ばれている畑めいさんが、今年は『MG ケンプファー』を使用した「アルの中の戦争」で大会4連覇。1989年のOVA作品『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の主人公アルフレッド・イズルハの記憶に残っている戦争の情景をイメージして制作されたという。

畑めいさんと「アルの中の戦争」(MG ケンプファー)

審査を担当したバンダイホビー事業部の馬場俊明氏は「今までもプラスチックのケースを使った空間表現がうまかったのですが、今年は円筒形のケースで、空間表現、スピード感ともに素晴らしい。一般票も圧倒的で、すごい表が集まっています」と他の作品を圧倒的な大差で破ったことを明かした。そして、ジュニアコース日本代表となった畑めいさんは「今年もすごいたくさん並んでいて、ドキドキしたんですけど、選んでいただけでうれしいです。今年こそ、世界一を取りたいです!」と4度目となる挑戦で、世界チャンピオンの座へ意欲を見せている。

総製作期間24カ月の大作がオープンコース日本代表に

谷田部岳文さんの「スティンガーフォトンボール」(MG ボール)

RO KUさんの「ウィング ゼロ ディアボルス」(MG ウイングガンダムプロトゼロ)

続いて行われたオープンコースの表彰では、第3位に『MG ボール』を使用した谷田部岳文さんの「スティンガーフォトンボール」が選出された。バンダイホビー事業部の長谷川氏は「ボールでも十分『ガンダムビルダーズワールドカップ』で戦えるんだぞという証明になったと思います」と出来栄えに太鼓判。第2位は『MG ウイングガンダムプロトゼロ』を使用したRO KUさんの「ウィング ゼロ ディアボルス」で、長谷川氏は「正面もさることながら、背中に関しました。複雑なレイアウト能力がすごい。シンプルに見て、かっこいいということで、得票が伸びたのではないでしょうか」と寸評した。

三木義久さんと「天翔ける麒麟 ~バイアラン・カスタム試作2号機~」(HGUC バイアラン・カスタムなど)

そして、オープンコースの日本代表に選ばれたのは『HGUC バイアラン・カスタム』『HGUC ギャプラン』『HGUC マラサイ』『HGUC ハンブラビ』など、20種以上のガンプラを使い、総製作期間24カ月以上の三木義久さんによる「天翔ける麒麟 ~バイアラン・カスタム試作2号機~」。三木さんは「完全燃焼だったので結果は気にしていませんでしたが、こんな賞を受け取れるとは思いませんでした。家族や友人の応援のおかげです」と家族や友人への感謝を述べる。もともと本作は、昨年応募するつもりで制作をしたものの応募期間に間に合わず、2年越しで完成した作品だという。

馬場氏は「今回の一般投票の結果は、川口さんが途中でステージを切り上げて最終審査をしなければならないほど僅差でした」と接戦だったことを明かし、三木さんの作品を「トータルの工作の技術、まとめ上げるセンスが非常に高く、すごく興味深く見させていただきました」と称賛を送っていた。12月21日には、東京・台場の「ガンダムフロント東京」で世界大会決勝戦が開催される。

ジュニアコース決勝進出作品

「アムロ用ビルドガンマガンダム」熊澤零(MG リックディアス)

「Build Gundam Mk-II ver.Nao」Nao(MG ビルドガンダムMk-II)

「プロビデンスガンダム エピオン」藤本拓真(1/100 プロビデンスガンダム、MG ガンダムエピオン EW、MG ゼータプラス、MG フォースインパルスガンダム)

「Zero Flight」ロムスカ(HGUC サザビー)

オープンコース決勝進出作品

「ザビ家の秘宝」awaxy(MG MS-06S ザクII)

「STRIKE FREEDOM」あんぱん(MG ストライクフリーダムガンダム)

「目標を駆逐するッ!」いべまに(HG ガンダムエクシア、HG ティエレン地上型)

「MG サザビー Ver.ka」MSZ-008(MG サザビー Ver.ka)

「ジェスタ SWAT-05」M's(MG RGM-96X ジェスタ)

「『堕天使、降臨。- La vie en Rose -』」金子和憲(HGUC ギラ・ズール)

「take back」小林正幸(MG RX-78-2 ガンダムVer.3.0、MG ジム Ver.2.0)

「GAT-X105 STRIKE」kobaruto(MG エールストライクガンダム Ver.RM、EXモデル アークエンジェル)

「ストライクフリーダムHWS」下田広己(RG ストライクフリーダムガンダム)

「OVERLOAD~高機動型MS開発実験機」準新作(RG 量産型ザク ほか)

「『木星帰りの男』」SOMA(HGUC メッサーラ)

「アッシマーズ」TAKU(HGUC アッシマー)

「アッシマーズ」TAKU(HGUC アッシマー)

「英雄の帰還」DAWA(HGUC ゼータガンダム、HGUC Sガンダム、HGUC バイアラン・カスタム、HGUC キュベレイ)

「戦国アストレイ 鎧.Ver」TM(ティム)(MG 戦国アストレイ頑駄無、HGBF 戦国アストレイ頑駄無、BB戦士 ネオ・ジオング)

「オブストラクション!」花畑(1/144モビルカプル、1/144モビルフラット、U.C. HARD GRAPHジオン公国軍 ランバラル独立遊撃隊セット)

「Core-Booster016」古川和寛(PG RX-78-2 ガンダム、PG スカイグラスパー、PG ダブルオーライザー ほか)

「マ・クベ出撃!」三宅忍(MG ギャン)

「リックドム・カスタム」宮本正道(MG リック・ドム)

「stay」三輪一樹(メガサイズモデル 1/48量産型ザク)

「創造する世界」山口 達彦(ヤマタツ)(MG ビルドストライクガンダム)

「グフ・デストロイモード~ザクとは全然ちがうのだよ~」吉本プラモデル部 部長 パンクブーブー佐藤 哲夫(HGBF グフR35、HGUC グフ)

「フェネクス襲来!Versus-Version GFT」渡邉 一雄(kazubo)(HGUC ユニコーンガンダム3号機フェネクス、HGUC アッガイ、RG ガンダム(Ver.GFT))

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