多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「ファクトリーイメージ」って何ですか?』という質問に答えます。
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Android端末における「ファクトリーイメージ」とは、Google純正端末であるNexusシリーズを対象とした、システム全体のイメージファイルです。Android OSや標準装備のアプリ一式を取りまとめたファームウェアの一種であり、適用することで端末を工場出荷時点の状態に戻すことができます。
ファクトリーイメージは、NexusシリーズのモデルごとにAndroidのバージョンに応じたものが提供されます。システムに変更が生じた場合、システムのバージョンアップが行われた場合には、新しいファクトリーイメージがGoogleのサイトで公開されます。配布は圧縮ファイル(*.tgz)の形式で行われ、システムイメージのほかブートローダー(起動用プログラム)、インストール用のスクリプトファイルが収録されています。
他のAndroid端末向けには、通信キャリアや端末メーカーはファクトリーイメージを提供していませんが、Nexusシリーズは扱いが異なります。選定した端末メーカーとの協力の上で発売するOEM製品であり、Android端末のフラッグシップモデルという位置付けです。つねに最新のシステムをサポートすることが期待される端末の性格上、発売から18カ月間はOSのアップデート保証が用意されています。
ファクトリーイメージの適用は、端末とUSBケーブルで接続したパソコンで作業を行います。作業にはAndroid SDKに付属のコマンドを利用するため、事前にAndroid SDKをインストールしておく必要があります。なお、内部ストレージのデータはすべて消去されるため、作業開始前にはバックアップが必須です。