--Talendを使ったビッグデータ活用で実績を上げている企業の事例を紹介してほしい。--
マイク氏: シティバンクやバンク・オブ・アメリカ、VISAなど、挙げ出したら枚挙にいとまがないが、なかでも風力発電の効率改善に取り組み年間25億ドルものコスト効果を出したGEの取り組みは有名だ。
他のケースを挙げるとすれば、アメリカの大手ハードウェアストアのホームデポの事例だろうか。同社では米国全土にある2700すべての店舗に置かれた全製品にユニークな価格設定をすることで、収益を最大化できないかという課題を抱えていた。そこで、同社はTalendを使ったHadoopクラスタを構築することで、各店舗において商品の価格を調整すると、各店舗の売上がどれだけ上がるかをシミュレーションできるようにした。現在では、商品ごとの価格設定や店舗ごとの適正な在庫量を調整することで、収益の最大化を実現できるようになった。このシミュレーションでは、過去の売上実績や、価格が影響を受けやすい地元の経済動向、建築プロジェクトの有無、気象情報など、実に多彩なデータを扱っている。まさに、データドリブンな経営への変革を実現した好例だと言えるだろう。
--今後の御社の戦略について聞かせてほしい。--
マイク氏: 何と言っても、リアルタイム・ビッグデータへの投資を積極的に行っていきたいと考えている。この分野は2010年から注力しているが、今後はいわゆるモノのインターネットの普及に伴い、センサーなどから送られてくるデータのリアルタイムな処理がより一層求められるようになるだろう。その時にもHadoopが活躍するのは間違いないと見ている。
また、クラウドにも力を入れており、先ほど話した数ヵ月後のクラウド版製品のリリースもそうした戦略の一環になる。さらに、SAPやSalesforceからデータを取り出して、Hadoopでオンプレミスで活用するというハイブリッドクラウドのシナリオも描いている。
ユーザーコミュニティの充実も外せないテーマであり、ビッグデータ活用や製品活用の実例をもっとシェアできるよう積極的に取り組んでいきたい。
--最後に、これからビッグデータ活用に取り組みたいと検討している企業へのアドバイスをいただきたい。--
マイク氏: 今までビッグデータ活用で成功している企業というのは、どこも明確なビジネスニーズのあるプロジェクトを立ち上げていた。また、初期には常にコスト削減というニーズがあった。これから、ビッグデータは第二の波が始まろうとしている。そこでは、ビッグデータを活用して今までなかったような新しい価値を生み出せるようになるはずだ。当社は、顧客がどの段階にあっても、その顧客にとって次のステップに踏み出せるよう、効果的なサポートができる体制を整えている。