日本労働組合総連合会(連合)は、20日に開催した第14回中央執行委員会において、2015年春闘の闘争方針案を示した。中小組合(組合員数300人未満)と非正規労働者について、賃金目標の「最低到達水準」を初めて設定し、格差是正を目指すという。
方針案では、「賃上げ」「時短」「政策・制度実現の取り組み」を3本柱に据えて取り組みを進め、中でも「底上げ・底支え」「格差是正」に全力を尽くし、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」を目標に掲げている。
賃上げについては、物価が上昇局面にあることや経済成長をけん引する観点から、2%以上のベースアップ(以下、ベア)を求め、これに定期昇給相当分を加えて計4%以上の引き上げを要求する。ベア要求は2年連続。
中小組合ならびに非正規労働者については、格差是正や底上げ、正社員との均等処遇実現を目指し、連合リビングウェイジを基準とした「最低到達水準」を初めて設定。中小組合ではベアと定期昇給分を合わせて1万500円以上(定期昇給分4,500円)の引き上げを、非正規労働者では時給37円以上の引き上げを、それぞれ求める。
また、都道府県ごとの「最低到達水準」も設定。例えば、埼玉県・単身世帯・自動車保有なしの月額では15万3,000円、埼玉県・2人(父子)世帯・自動車保有なしの月額では20万9,000円とし、この水準をクリアすることを目指すという。
今後は、2014年12月2日に開かれる第69回中央委員会において、闘争方針を正式に決定する。