三井デザインテックは12日、オフィスの実態調査結果をまとめた「Office Worker's data Book」を元に、オフィスワーカーの意識調査の結果を発表した。同調査は、3月20日~24日の期間、都心5区のワーカーを対象に実施されたもの。回答者数は3,093名であった。

企業の半数が10年に1度はオフィス移転?

直近10年でオフィス移転を実施した企業の割合は51.1%。半数の企業が10年に一度、オフィスを移転しているという計算になる。「オフィスの移転理由」については、「人員増によるスペースの拡大」「コスト削減」「立地の良いエリアへの移転」が上位となった。

直近10年でオフィス移転を実施した企業の割合

「オフィス移転に要する期間」の平均は9.5カ月。「3カ月~半月以内」(27.8%)、「半年~1年以内」(27.6%)、「3カ月以内」(21.4%)が20%を超えている。「3年以上」と回答した企業は6.0%であった。

事業規模別に見ると、従業員数「10人以下」の企業は平均5.9カ月、「11~50人以下」は平均7.8カ月を要している。「500~1,000人」の大企業は平均13.0カ月と移転期間は企業規模に比例する結果となった。ただし、移転に3年以上の期間を要した企業の割合は、「100~300人規模」(9.2%)、「201~500人」(7.5%)、「51~100人」(6.7%)が上位となり、「500~1,000人」は3.6%と最も低かった。

事業規模別オフィス移転に要する期間

どのような施設が欲しいか?

「ビル共用部に欲しい機能設備」については、「自動販売機」(45.8%)、「Wi-Fi・LAN環境」(38.5%)、「リフレッシュスペース」(34.8%)、「光や緑など自然を感じるスペース」(32.9%)、「カフェテリア」(32.3%)があげられた。男女別に見ると、「リフレッシュスペース」「光や緑など自然を感じるスペース」「カフェテリア」は比較的女性からのニーズが高いという結果になった。

一方、「必要ないと感じている機能設備」は「喫煙室」(54.7%)、「貸し会議室」(48.8%)、「吹き抜け・アトリウム空間」(46.0%)が上位となった。

ビル共用部にほしい機能設備・必要ない機能設備

「オフィスに求める空間」は、「会話・雑談、相談のしやすい執務空間」(57.6%)と「集中して作業を行いやすい空間」(54.5%)が上位に。この傾向は業種に関係なく現れている。

オフィスに求める空間

1日の社内滞在率は79.4%。労働時間を1日8時間とすると、6.3時間は社内にいるという計算になる。職種別に見ると、社内滞在時間が最も短い職種は「営業系」で4.8時間(60%)、最長は「事務系」の7.3時間(92%)であった。業種別では、銀行などの「金融系」の社内滞在時間が長く、「不動産系」は短いという結果になった。

「ワーカーが希望する勤務先エリア」は「新宿」「丸の内」「渋谷」を筆頭に「日本橋」「池袋」「大手町」「銀座」など、商業地域も併せ持つオフィスエリアが上位にランクイン。続いて、「品川」「上野」「秋葉原」など、実用的なターミナル駅エリアがあげられた。洗練された雰囲気を魅力とする「表参道」「恵比寿」などのエリアは低めの結果となった。

ワーカーが希望する勤務先エリア