保険には、自分に万が一のことがあった場合に家族の生活費となってくれる死亡保険(生命保険)、突然の病気やけがへの備えとなる医療保険、子供の教育費の助けとなってくれる学資保険、そして老後の生活費を補てんしてくれる年金保険など、様々な種類があります。
若者や中高年に共通で必要な保険が「医療保険」
これらすべての保険が誰にでも必要なわけではなく、年代や家族構成によって必要な保険が決まってきます。というのも、たとえば20代の独身者の場合、自分に万が一のことがあっても、生活に困る人がいないのであれば死亡保険は不要だからです。とはいえ、若者でも中高年の人にも必要な保険があります。それは「医療保険」です。
「医療保険」に加入しているでしょうか。一昔前なら、会社に保険会社の営業職員が来て保険の勧誘をしていたので、すすめられるまま加入したという人が多くいました。ところが、今は企業のセキュリティが厳しくなり、気軽に保険会社の人が会社内に立ち入ることが難しくなったため、保険に入るきっかけが少なくなりつつあります。
では、いつ保険に入るのでしょうか。きっかけとして考えられるのは、身近な人が病気になったときです。知り合いや家族が病気をして入院したときに、「保険に入っていてよかった」あるいは「保険に入っておけばよかった」などということを見聞きすることで、では自分も、という気持ちになる人もいるようです。
また、アクサダイレクト生命保険が調査した「結婚と保険」に関するアンケート結果では、半数を超える人が、「入籍後」がパートナーの生命保険加入の理想のタイミングと答えています。となると、独身で、知り合いで病気になった人がいなければ、医療保険に加入するという気持ちにならないかもしれません。
医療保険の中には、保険を利用しなければ何年かに一度お金を受け取れるものもありますが、基本的には掛け捨てです。このため、保険料がもったいないと思うかもしれませんが、人間、死ぬまで一度も病気をしない可能性は低いでしょう。入院や手術をすることで給付金を受け取る医療保険の助けが必要なときが来るはずです。
「医療保険」はトータルの保険料で見ても若いうちに加入するのがベスト
人によっては「自分は健康に自信があるから、保険に入るのは年をとってからで大丈夫」と豪語する人がいます。しかし、一般的に年齢が高くなればなるほど、保険料は高くなってしまうので注意が必要です。
たとえば、保険会社Aの医療保険の年齢別保険料を見ると、入院給付金5000円、保険期間終身、保険料払込期間60歳払い済などの場合、30歳の男性の月額保険料は2276円、これが40歳になると3832円、そして50歳では40歳の保険料の倍以上の8571円になります。この保険会社が特別なのではなく、多くの保険会社では50歳の保険料が40歳の保険料の倍以上となっているようです。
「でも、いくら30歳の保険料が安くても、その年齢から保険料を払い続けるリスクがある」という人もいるかもしれません。そこで、60歳まで払い続けるトータルの保険料でも比較してみましょう。
30歳の男性の場合、月2276円×12カ月×30年では81万9360円。同様に40歳の場合は91万9680円、そして50歳の場合は102万8520円と、50歳で加入した人の方がより多くの保険料を払う結果となりました。
つまり、保険に加入する場合、年齢が若ければ若いほどおトクだということが言えるのです。加えて、一般的な医療保険は健康でなければ加入できません。年齢が高くなればなるほど、病気になるリスクも高くなるので、いざ加入したいときに加入できない可能性もあります。
治療が長期化する可能性があるがんに備えるには「がん保険」
最近の医療保険は、入院や手術の保障以外に、先進医療に対応しているものも多くあります。ただ、通院の保障については、特約として付加できるものもありますが、少ないのが実状です。医療の現場では、入院を短くする傾向にあり、通院で治療するケースも少なくありません。特に、がんなどが顕著な例でしょう。このように、通院が長期化することが予想されるがんが心配という人は、がん保険も検討してみる価値があります。
中には、ある程度の蓄えあるので、また健康保険の高額療養費制度なども利用できることから、通常の病気については心配していないが、やはりがんを患ったときの治療費が高額になり、日数的にも長期化する可能性があるので、これらの心配を軽減してくれるがん保険だけに加入している人もいます。逆に、心配し過ぎて、通常の医療保険に特約をめいっぱいつけている人もいます。
まず自分が必要な保障は何かを見極めることが大切です。もちろん、その際には前もって、公的な健康保険や国民健康保険や会社の福利厚生の内容を確認することが肝心です。
(※写真画像は本文とは関係ありません)