VMwareと開発連携、ネットワーク仮想化環境を可視化できる唯一の製品

GigaVUEには、もう1つ目玉がある。それは、1筐体の中で多数の仮想マシンが動く仮想化環境や、SDN(Software-Defined Network)やNFV(Network Functions Virtualization)のようにソフトウェアで制御されるネットワークのデータを捕捉する機能だ。

「GigaVUE-VM」と呼ばれるこの機能は、VMwareと連携して開発された。ハイパーバイザーと深いレベルで連携しており、VM同士の通信を仮想スイッチ上の仮想ミラーポートから捕捉して情報を収集する。vMotionにより仮想マシンが物理サーバを移動した際も、追跡してモニタリングすることができるうえ、VXLANにも対応しており、一部のVXLANを指定して排除するといったことも可能だ。

「一般的な仮想環境対応のモニタリング製品と異なるのは、仮想マシンレベルでトラフィックを可視化できること。VMwareさんとのコラボレーションがなければ実現できない技術です。SDNやNFVが当たり前のように導入される時代になれば、通信経路がダイナミックに変わっていくことになります。それを追跡できる機能は今後必ずや求められることになるでしょう」(小野氏)

GigaVUEが本当に優れているのは、単に仮想化環境に対応するというだけでなく、前述のGigaSMARTの機能を使って、GigaVUE-VMで収集した情報を既存のモニタリング機器でも解析できるかたちに変えて転送できる点である。すなわち、モニタリング機器からすれば、仮想ネットワーク上で収集されたパケットが、物理的なネットワーク機器の上を流れているのと同じようなかたちに送られてくるのである。これにより、SDN/NFVの導入の際にも、既存の資産をそのまま使い続けることが可能だ。

仮想化環境にも対応。VMwareと連携して開発している

なお、現在対応する仮想化環境はVMwareのみの対応だが、今後はKVMやXenもサポート予定。並行して、OpenDayLightなどのオープンなネットワーク仮想化仕様もサポートしていくという。

「現在のところ、同じことができる製品はほかにありません。そのため、ITアナリストのレポートにおいても製品ジャンルとして確立されていないのが実情です。なかなか訴求が難しい分野ではありますが、今後はSND/NFVの普及とともに、一般企業にも必要される技術になるはずです。投資のタイミングを最適化するうえでも大いに役立つ製品なので、興味を持っていただけるとありがたいです」(小野氏)