財務省は20日、2014年10月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7,100億円の赤字となった。赤字は28カ月連続で、過去最長を更新した。赤字額は10月としては過去最大だった前年と比べて35.5%縮小した。
輸出額は前年同月比9.6%増の6兆6,885億円で、2カ月連続の増加。品目別では、自動車が同6.2%増、船舶が同53.9%増、鉄鋼が11.8%増などとなった。
輸入額は前年同月比2.7%増の7兆3,985億円で、2カ月連続の増加。品目別では、通信機が同29.6%増、肉類が同36.9%増、液化天然ガスが同6.1%増、原粗油が同10.8%減などとなった。
地域別に見ると、対米国は、輸出額が前年同月比8.9%増の1兆2,683億円、輸入額が同11.0%増の6,538億円で、6,145億円の黒字。黒字額は2カ月連続で増加した。輸出品目では、自動車の部分品が同19.0%増、建設用・鉱山用機械が同61.5%増、自動車が同3.3%減など。輸入品目では、石油製品が同117.6%増、穀物類が同25.2%増、肉類が同23.9%増などとなった。
対EUは、輸出額が前年同月比5.4%増の6,817億円、輸入額が同4.9%増の6,997億円で、180億円の赤字。赤字は22カ月連続となる。輸出品目では、自動車が同11.8%増、電気計測機器が同36.4%増、鉱物性燃料が同90.5%減、原動機が同12.8%減など。輸入品目では、肉類が同118.3%増、原動機が同43.8%増、自動車が同6.3%増などとなった。
対アジアは、輸出額が前年同月比10.5%増の3兆6,003億円、輸入額が同4.2%増の3兆4,619億円で、1,384億円の黒字。黒字は2カ月ぶりとなる。輸出品目では、船舶が同319.7%増、半導体等電子部品が同9.2%増、金属加工機械が同42.3%増など。輸入品目では、通信機が同29.8%増、半導体等電子部品が同14.2%増、石油製品が同30.1%減、原粗油が同50.6%減などとなった。
対中国は、輸出額が前年同月比7.2%増の1兆2,296億円、輸入額が同9.6%増の1兆8,164億円で、5,868億円の赤字。赤字は32カ月連続で、10月としては過去最大となる。輸出品目では、通信機が同67.4%増、科学光学機器が同15.1%増、有機化合物が同16.2%減、鉱物性燃料が同49.4%減など。輸入品目では、通信機が同45.0%増、半導体等電子部品が同43.1%増、衣類・同付属品が同6.9%減などとなった。