ディスコは18日、世界のトップ校学生の就職意識調査の結果を発表した。同調査は、8月22日~26日の期間、ハーバード大学の学生主催によるアジア学生会議「ハーバード大学アジア国際関係プロジェクト 2014 東京会議」の参加者を対象に実施したもの。回答者数は367名。
有名大学学生が参加する学生会議で調査
同イベントは20年以上続く学生会議で、日本での開催は9年ぶり。参加者の在籍大学は慶応・早稲田・東京大学、ハーバード大学、ブラウン大学など。
海外学生に「将来日本で学びたいか」を尋ねたところ、「とてもそう思う」(31.1%)、「そう思う」(48.7%)と、約8割が「学びたい」と回答した。「そう思わない」「全く思わない」と回答した学生は20.2%であった。
「就職先を選ぶ際に重視する点」について、海外学生と日本人学生」にそれぞれ尋ねたところ、海外からの参加者は「給与・待遇が良い」(67.2%)、「高いスキルが身に付く」(57.3%)、「職場の雰囲気が良い」(55.0%)が上位で、実益を重視する姿勢が明らかになった。
一方、日本人参加者は「仕事内容が魅力的」(73.8%)が最も高く、続いて「職場の雰囲気が良い」(58.5%)、「給与・待遇が良い」(55.4%)と、給与やスキルよりも仕事内容や環境を重視する結果になった。
1月に就職活動モニターを対象にした調査では、「1,000人以上の従業員がいる」(39.4%)、「製品・サービスの質が高い」(34.4%)など規模の大きさや品質を重視する傾向が見られた。
卒業後の進路・年収について
「卒業後の進路」について尋ねたところ、海外学生は「より高い学位を取得する」(37.1%)が最も高く、わずかな差で「企業で働く」(34.4%)が続く。一方、日本人学生は「企業で働く」(49.2%)が5割で、「より高い学位を取得する」(24.6%)はその半数であった。
「卒業10年後の予想年収」について、日本人学生は「5万ドル以上~10万ドル未満(580万円~1,160万円/1ドル=116円の場合)」(33.8%)、海外学生は「5万ドル以下」(25.8%)が最多となった。予想年収が「30万ドル以上(3,480万円)」とした海外学生は20.2%、日本人学生は16.9%であった。
どこで働きたいか
「将来アジアを引っ張る国」は「中国」(45.2%)、「インド」(16.6%)と6割を占める結果に。「日本」は3.8%で第3位であった。「将来働きたい国・地域」は「アメリカ合衆国」(37.6%)、「日本」(21.3%)、「イギリス」(9.3%)がトップ3。「中国」「インド」はアジアを引っ張る国として期待されているものの、実際に働きたい国はアメリカ、日本で約6割を占める結果となった。
「将来日本で働きたいか」という問いに対して、海外学生の84.8%、日本人学生の80.0%が「働きたい」と回答。「日本で働く際、不安に思うこと」について、海外学生は「言語の壁」「生活費」「企業内での文化的差異」が上位となった。一方、日本人学生は「自然災害」「生活費」「企業内での文化的差異」をあげている。
「日本で働きたくない」と回答した学生は「言語の壁」「日常生活での文化的差異」「生活費」を理由にあげている。
海外学生がもつ「日本の企業のイメージ」は「高い日本語レベルが求められる」「長時間労働」「技術力が高い」が上位となった。ネガティブな意見としては、「多様性の少ない従業員」「残業代が支払われない」「休暇が短い」「昇進機会が少ない」などがあげられた。また、「技術力が低い」という回答は0%であった。