俳優の高倉健さんの訃報を受け、高倉さんが主演を務めた映画『鉄道員』(1999年)のキャスト陣らが、東映を通じて哀悼の意を表した。

高倉さんの妻役を演じた女優・大竹しのぶは、「たった一度だけの共演でしたが、十本も二十本も映画を撮ったような、豊かで素晴らしいことを沢山教えて頂きました」と当時を振り返り、「映画人『高倉健』の魅力は、そのまま、人間『高倉健さん』の魅力です。美しく、気高く、そして何よりも優しい健さんを一生忘れません」とコメント。「神様みたいな人が、本当の神様になってしまったようです。淋しいです」と別れを惜しんだ。

一方、娘役の女優・広末涼子は「今もまだ信じられません」とショックを表し、「ただただ、悲しくて、淋しいです。健さんに撮影現場で聞かせてもらった音楽、入れてもらった珈琲、かけていただい優しい言葉たち、背筋の伸びた大きな体で、力強く抱きしめてもらった思い出、、、全て全部、忘れません」と悲痛な思いをつづった。

また、同作のほか、高倉さんの遺作となった『あなたへ』(2012年)でもメガホンを取った降旗康男監督は「残念の一語に尽きる」。高倉さん主演の『新幹線大爆破』(1975年)などを手掛けた佐藤純彌監督も「映画がまだ元気だった頃、時代を背負ったスターと共に仕事が出来たことは幸せでした」と思いを馳せ、「時の移り変わりは当然のことですが、高倉健さんは決して死なないような気がして、訃報を聞いた時は、ひとつの時代が終わったことを実感しました」とコメントした。