昔々、あるところに恐ろしい鬼が住む島があったそうな。海と岸壁で囲まれたその島は、人々に「鬼ヶ島」と呼ばれていたそうな……。

そして現代! 海はカレーに、岸壁はカツになって鬼ヶ島が復活したとの情報が。何のことだかよくわからないけれど、もし本当にそんなユートピアがあるのなら乗り込むしかねえ!! ってことで、やって来たのはJR幕張駅から徒歩5分の場所にある「本家絶品! 煮込みカツカレーの店」だ!

こちらの建物の赤い階段を昇れば「本家絶品! 煮込みカツカレーの店」が

ふむふむ、どうやらこの店に「鬼ヶ島」という名のカレーライスがあるらしいのだが……。一体、どんなカレーライスなのか全く想像がつかない! とりあえず注文してみるっきゃない。

現代の鬼ヶ島はとんでもない巨島!

「本家絶品! 煮込みカツカレーの店」は席数21

「鬼ヶ島1つください」

どんな強敵が出てこようと成敗してくれる! と、まるで桃太郎にでもなった気分で鬼ヶ島の到着を待っていると、店長さんが重そうにカレーライスを運んできてくれた。

で、ででででけぇー!!!! 鬼のような量のカレーが到着した。鬼のような、というか見た目がそのまんま鬼じゃないっすか!

「その名の通り『鬼ヶ島』をモチーフにしてるんですよ。ツノがうちの店がウリにしている煮込みカツで、眉毛がエビフライ。それで目玉は茹で玉子、岸壁はメンチカツとチキンカツで表現しています。ちなみに総重量は4kgほどあります(笑)」。

かわいらしい見た目で子どもにも大人気だという「鬼ヶ島」(3,500円)

そう語るのは店長の松尾さん。カツがたっぷりで、なんておいしそうな鬼ヶ島! まさにユートピアじゃないですか!!って、4kgもあるんですか!? 鬼ヶ島を目の前に逃げ出したい気持ちを抑え、いざ上陸(実食)!!

おお! 辛さも鬼レベルかと思いきや、コクがあってとってもまろやか。優しいやつだ!これならいくらでも食べられそう。

では、お店のウリだという煮込みカツもいただこう。…んまーーーーいっ!! 一口噛めばホロホロと崩れ、食感はフィッシュフライのようだけど肉のうまみはギュッと詰まっている! これはお肉界の革命でっせ!!

「煮込みカツは国産の豚バラ肉を4時間以上煮込んで、パン粉を付けて揚げてます。かなり手間暇かかってますよ! 」。さすが店名にするだけのことはある。まさしく絶品だ。

チャレンジに成功すれば「永久無料券」をプレゼント!

衣はサクサクで肉はとろけるような柔らかさの煮込みカツ

でも、なぜこんなデカ盛りカレーを販売するようになったのだろうか。

「もともとうちではチャレンジメニューで『絶品カツ3種盛カレー』(2,200円)と『FUJIYAMA』(2,000円)があって、どちらも総重量2kgほどあるんですが、制限時間内に食べきればうちのカレーが何度でも半額で味わえる『永久半額券』を進呈してるんです。その2種を制覇した人のために『鬼ヶ島』(3,500円)を作ったんですよ。こちらは制限時間内に食べきると『永久無料券』を進呈! すでに『鬼ヶ島』のチャレンジ成功した方も数名いらっしゃいますよ。で、鬼ヶ島をモチーフにした理由なんですが、えっと、その……思い付きなんです(笑)」。

思い付き! なるほど!! ちなみにチャレンジメニューとして上記の3種に挑戦する場合はもちろん一人で食べなければいけないが、同額で普通に注文する場合は家族や友人とシェアして食べてもいいそうだ。

お話を聞きながら鬼ヶ島を食べ進めていたが、半分も食べきれずにギブアップ。ホント、すみません!

「男性なら4人ほど、女性なら6人ほどで食べるのがちょうどいいですかね。ちなみに、1つにつき20円いただきますが、パックをご用意しています。食べきれなかった分はお持ち帰りできますよ。タッパーをご持参いただければそれに詰めてもいいですし」。

これはありがたい! 「渡る世間に鬼はない」とはこのこと。とはいえ、筆者のように単身で鬼ヶ島に乗り込むような無謀な挑戦はせず、食べきる自信がない人は普通のメニューを注文するか、桃太郎のごとくお供を連れて鬼ヶ島を攻略するべし。ともかく現代の鬼ヶ島は、誰もが満足して幸せな気分になれる素敵な島なのであった!

(文・A4studio千葉雄樹)

(価格はすべて税込)