動画サービス「ニコニコ動画」などを運営するドワンゴは、2015年度の新卒入社試験から導入したエントリー時の「受験料制度」を、2016年も実施することを発表した。
同社は、本当に入社意思のある人からのエントリーと応募者一人一人の採用活動に時間をかけて潜在的な能力を見極めるため、2015年の新卒入社試験よりエントリー時の「受験料制度」を導入した。首都圏の受験者を対象に(地方在住者は免除)「ニコニコ動画」にちなんで2,525円の受験料を徴収し、その受験料は全額寄付することを発表。しかし、この流れで「ドワンゴを受験した人には2,525円を付与する」企業なども現れたことから、東京労働局より、本制度の受験料が採用活動の手数料にあたらない可能性があるなどの指摘とともに、翌年度以降は実施しないよう指導票による行政指導を受けていた。
ドワンゴ側の発表によればこの施策は成功し、応募者が減少する一方で前年と変わらない数の内定者を出すことができ、さらに内定辞退者も減少するという期待していた結果を得ることができたという。具体的な数字としては、応募者数は前年比で4割弱と大きく減少したものの、内々定数(採用試験合格者)は前年並み、内定承諾数においては前年を大きく上回る結果となっている。また、2015年度に徴収した受験料の総額は1,656,400円となったが、当初予定していた「独立行政法人 日本学生支援機構」に対する受験料の寄付は、行政指導に基づいて当機構と協議の上で中止している。
2016年度においては東京労働局の指摘も考慮し、一部内容を変更する形で実施。1次試験の書類選考までに実際にかかる費用として算定した金額(約6,000円)を同社と受験生で半分ずつ負担し、2016年度より3,000円を受験料として徴収する。また、徴収した受験料の寄付も行わないという。受験料の徴収は首都圏(1都3県・東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住者に限り、地方在住者は免除される。エントリー開始期間は、2014年12月1日 ~。詳細はドワンゴ採用サイトまで。