日経BPコンサルティングはこのほど、今年で13回目となる「企業メッセージ調査 2014」の調査結果報告書を発行・発売した。
企業メッセージとは、企業や企業グループが、自社のコンセプトや理念、姿勢、方針などを社外(消費者や取引先など)や社内(自社及びグループ企業の従業員)に伝え、浸透させるために全社的に一貫して使用している文言と定義している。「近くて便利」(セブン-イレブン・ジャパン)、「家に帰れば、積水ハウス。」(積水ハウス)などが挙げられる。
今回は、国内の444の企業メッセージ(307社)を、認知度、理解度、接触度、好感度のほか、16項目のイメージなどの様々な角度から評価されたものをとりまとめた。
「企業名想起率」1位は13年連続ロッテの「お口の恋人」
「企業名想起率」(メッセージを提示してその企業名の記入を求めた時、正しく記入できた回答者の比率)の全体平均は3.2%。前回の3.9%から減少し、消費者の記憶に残ることの厳しい状況が表れている。トップは13年連続ロッテの「お口の恋人」。初ノミネートの「うまい、やすい、はやい」(吉野家ホールディングス)は、第10位にランクインした。
メッセージと発信企業名を合わせて提示し、「この企業がこのメッセージを発信していることを知っているか」という設問に対しても、認知率が50%を超えたのは5件のみとなった。前回から大きく認知を上げたメッセージは、「FUN TO DRIVE, AGAIN.」(トヨタ自動車)、「近くて便利」(セブン-イレブン・ジャパン)、「家に帰れば、積水ハウス。」(積水ハウス)だった。
セット好感度1位は「味ひとすじ 永谷園」(永谷園)
メッセージと発信企業名を合わせて提示し、好感度を尋ねスコア化したセット好感度では、「味ひとすじ 永谷園」(永谷園)が首位となった。また、伊藤園の「お茶で日本を美しく」が、前回第102位から第11位に急上昇。企業メッセージに英語を用いる企業も増えているが、上位のメッセージには、日本語の力を活かしたメッセージが多く見られた。
好感度が上昇した要因の1つには、2020年東京五輪の開催決定や、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたニュースなどを通じ、日本および和食文化への意識・関心が前回(2013年8月調査実施)よりも高まったことが考えられる。