暖差リスク予防委員会はこのほど、「住宅の暖かさに対する意識」「ヒートショックに対する意識」の実態調査結果を発表した。同調査は全国47都道府県の20代~70代の男女を対象として実施。2500人から回答を得た。同委員会は、冬になると起こりやすい「ヒートショック」の要因となる住環境リスクを「暖差リスク」と命名し、その認知促進と予防対策を啓発していく機関。
約半数が冬の住宅の暖かさに不満
「冬の家の暖かさについて満足しているか」を聞いたところ、46.2%が「やや不満」か「不満」と回答した。
不満な点の第1位は「廊下や脱衣室、浴室が寒い」が62.4%で、2位の「暖房をつけても部屋が寒い」(41.2%)、3位の「暖房をつけた後、部屋が暖まるのに時間がかかる」(40.2%)に20ポイント以上の差をつけており、住宅への不満の大きな要因になっていることがわかった。
寒い場所1位は「洗面室・脱衣室」、2位は「浴室」
「住宅内で寒いと感じる場所」は、1位が「洗面室・脱衣室」で57.8%、次いで「浴室」(51.4%)、「トイレ」(50.2%)、「廊下」(43.5%)と、普段過ごす時間が短い場所が続いた。しかし、「キッチン」(37.6%)、「寝室」(32.8%)など、ある程度長い時間を過ごす場所でも、3割以上の人が「寒いと感じる」と回答した。
冬に危険な「ヒートショック」、意識していない人が6割近く
「ヒートショック」という言葉を知っている人は50.9%と半数を超えたが、「普段からヒートショックについて意識することがある」と回答した人は41.2%にとどまり、およそ6割がヒートショックを意識していないことがわかった。
「ヒートショックの印象」については、「高齢者にとっては危険だと思う」が最も多く71.4%で、「自分のこととして考えたことが無い」と回答した人も16.8%いた。
寒暖差のある場所に移動した際、約8割が身体への影響を感じている
「住宅内の温度差のある部屋間の移動」において、全体の8割近くが、暖かい部屋から寒い部屋や空間に移動したときに、なんらかの身体の反応や変化、影響を感じた事があると回答した。具体的に身体に起きた主な変化は、「身体が寒くてぶるっと震えた」(58.5%)、「肩をすくめたり、身体を縮めたりした」(55.0%)などとなった。
知らないうちに多くの人がヒートショックの原因になる行動を取っている
「冬の自宅内の行動」について尋ねたところ、「暖房等で暖めるのはリビングなどの居る部屋のみで、その他の場所は暖めない」が60.5%、「自宅の脱衣室や浴室が寒くても暖房器具を設置していない」が37.8%など、多くの人がヒートショックの原因になり得る行動をとっている一方、それがヒートショックにつながることを知らない人は52.1%と半数を越えた。