英国ジャガー・ランドローバーはこのほど、「レンジローバー」「レンジローバー・スポーツ」に次世代オールテレイン・プログレス・コントロール(ATPC)を初めて搭載するなどの刷新を行うと発表した。

オーバーヘッドディスプレイ(HUD)

今回の刷新では、次世代オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)の採用が最大の変更点となる。ATPCは、停止状態または走行時において、ブレーキペダルから足を離し、いっさいのペダル操作をすることなく、ドライバーが望む速度を維持するシステム。車両の設定を継続的にモニタリング・調整し、あらゆる状況下でトラクションを最適化し、車両の前進・後退を続ける。

ATPCはドライバーの負荷を減らし、急勾配の斜面や起伏のある地形、低グリップ路面などでも車の挙動を安定させ、「レンジローバー」が世界に誇るオフロード走破能力をさらに強化する。非常に低速で粘り強い走行が求められる過酷なオフロード環境で、とくに効果を発揮するものだ。前進・後退ともに、1mphから19mph(1.8km/hから30km/h)の間で作動可能となっている。

エンジンも改良された。「TDV6」に搭載されるランドローバー製3.0リットルV6エンジンは、これまでのツインターボをボールベアリング式シングルターボに変更。ロープレッシャーエグゾーストガスリサーキュレーションなどにより、最高出力258PSを発揮する。同時に燃費は、「レンジローバー TDV6」で8.5%、「レンジローバー・スポーツ TDV6」で5.7%向上した。「SDV6」「SCV6」に搭載されるエンジンもそれぞれ改良され、最高出力と燃費が向上している。

オーバーヘッドディスプレイ(HUD)

オールテレイン・プログレス・コントロール(ATPC)

パノラミックルーフ

ヘッドアップディスプレイ(HUD)が新たに採用されたことも大きな改良点となる。HUDに映し出されるデータは速度、ギアポジション、シフトインジケーター、クルーズコントロール情報、ナビからの指示などで、ドライバーは視線を前方からそらすことなく、その情報を確認できるという。