Q.話す相手の敬語が間違っていて気になったことはありますか?

ビジネスマナーの鉄則である敬語。尊敬語と謙譲語を正しく使いこなすのはそれほど簡単なことではなく、苦手意識を抱えている人も多いはずだ。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、話す相手の敬語が間違っていて気になった経験はないか尋ねた。

Q.話す相手の敬語が間違っていて気になったことはありますか?

はい 23.3%
いいえ 76.7%

Q.(「はい」と答えた方にお聞きします)どう間違っていて気になったのか、教えてください

■失礼な言葉
・「~っす、は敬語じゃない」(31歳女性/情報・IT/技術職)
・「後輩に『ご苦労さま』と言われた……百歩譲って『です』が付いていればよかったが……」(39歳男性/その他/技術職)
・「電話で社内の人からでお疲れさまでなくて、誰に対しても年上にも『ご苦労さまです』と声をかける人、どうにも気になる」(26歳女性/金融・証券/専門職)
・「社長に対して『ご苦労さまです』」(26歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「『願います』は丁寧語ではなく命令形です」(44歳男性/情報・IT/技術職)

■身内について話す時
・「自社の人間のことを『~課長はおりません』とお客さまに言っていたとき」(35歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「社外の人と話している時に、自分の会社の人に『~さん』を付ける」(52歳女性/情報・IT/事務系専門職)
・「『○○課長様』課長に様はつけないのにと思い気になる」(30歳男性/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「病院に医者の担当日を確認した際に、受付が『○○先生は今日はいらっしゃいません』と尊敬語を使っていた……目上の人であっても外部には尊敬語は使わないと中学校で習った」(25歳男性/その他/その他)
・「社内の人間なので『おります』なのに、『いらっしゃいます』と言ってしまってた時」(30歳女性/学校・教育関連/専門職)

■過剰すぎる
・「2重敬語です……くどくどしていて、話の要点がつかみ難いです」(31歳女性/ソフトウェア/事務系専門職)
・「『お承り致します』と過剰だった」(27歳女性/その他/その他)
・「『おっしゃった』を『おっしゃられた』といった」(50歳男性/その他/その他)

■明らかな間違え
・「私『こちらお預かりしてよろしいですか?』相手『お預かりしていただいていいです』」(25歳女性/金融・証券/販売職・サービス系)
・「『お後はよろしいですか?』とお伺いするところを『大丈夫ですか?』と尋ねていた時」(24歳女性/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・「『持っておりますか?』」(49歳男性/マスコミ・広告/経営・コンサルタント系)
・「『かしこまりません』」(31歳女性/食品・飲料/事務系専門職)
・「『いらっしゃる』が、『おらっしゃる』になってた」(26歳女性/学校・教育関連/クリエイティブ職)
・「『行けます』と言うところを『行かれます』と言っていたところ」(25歳女性/運輸・倉庫/営業職)
・「自分が知っていることを『ご存知でした』と言った」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職

■最近の変な敬語
・「『○○させていただきます』という言い方……『○○致します』と言えばいいのに」(27歳女性/不動産/事務系専門職)
・「最近乱用されている『~になります』が気になる……もう既に、どの年代の人も使い始めているので、今後日本語として定着してしまうんだろうと思う」(31歳女性/食品・飲料/事務系専門職)
・「×『~してもらっていいですか』→○『~していただけますか』」(41歳女性/マスコミ・広告/事務系専門職)
・「テレビで頻繁に『よろしかったですか』は誤った敬語と言われているのに、今でもまだ使っている人がいるから」(28歳女性/医薬品・化粧品/事務系専門職)
・「『とんでもございません』、どやっと使われてモヤモヤ」(25歳女性/医療・福祉/事務系専門職)
・「『そうでしたか~』って言うべきところで最近の店員さんとかは、『そうなんですねー』と」(34歳女性/医療・福祉/専門職)

■総評
間違った敬語が気になったことがあるという人は23%だった。会社内でよくありがちな間違った敬語は「ご苦労さまです」。基本的に目上の人から労をねぎらう言葉なので、上司や社長に使うのは好ましくない言葉だ。こちらもよくやってしまう間違いだが、「○○社長はおりません」「○○さんは外出しております」なんて、自社の上司に役職をつけたり敬称をつけてしまうパターン。さらに「○○さんは外出していらっしゃいます」のように、完全に身内に敬語を使ってしまうのも、間違いやすい典型なので気をつけたい。メールや文書などで「○○課長様」と役職に様を重ねてしまうのも、間違いだ。

二重敬語が気になるという声も多かった。回答にあったのは「おっしゃられた」という言葉。「おっしゃる」という尊敬語に、さらに「られる」と尊敬の助動詞が重なっている、二重敬語だ。失礼になるくらいなら丁寧すぎるくらいの方がまだましかもしれないが、「くどくどしている」という声もあった。敬語は適切かつスマートに使いこなしたい。

「かしこまりません」「私はご存じでした」なんて、明らかな間違い敬語を指摘してくれた人も。「お預かりしてよろしいですか?」「はい、お預かりしてよろしいです」なんてやり取り、コントみたいで実際に言われたら噴き出してしまいそう。また「いらっしゃる」を「おらっしゃる」なんていい間違えていた人もいたようだ。おそらく「おられる」と「いらっしゃる」がゴチャゴチャになってしまったのだろうが、おかしい。

その他「させていただきます」「○○になります」「よろしかったですか」「そうなんですね」などなど、最近よく耳にする敬語で気になるものをあげてくれた回答もあった。敬語も時代とともに移ろっていくもの。ビジネスの場では、失礼にならないよう正しい知識を身につけた上で、臨機応変に使っていきたいものだ。

調査時期: 2014年10月21日~10月22日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性129名 女性171名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート