各メーカーから出そろった感のある高倍率ズームコンパクトカメラ。光学30倍~50倍前後の機種がひしめく中、頭ひとつ抜け出た65倍ズーム(!)を搭載して登場したのが、キヤノンの「PowerShot SX60 HS」だ。今回は、その驚異の超高倍率ズームを中心にレビューをお届けする。なお、この原稿執筆時点(11月上旬)での店頭実勢価格は53,000円前後だ(筆者調べ)。
今年、小中学校の運動会撮影の現場で個人的に感じたのは、一眼レフの復権と高倍率ズームコンパクトの増加だった。運動会という特殊な事情があるとはいえ、比較的大きめのセンサーを搭載した高級機がもてはやされるコンパクト市場において、伝統の1/2.3型センサーの利点を生かした高倍率ズーム機が存在感を示してきたのは興味深い。
コンパクト機とは書いたが、PowerShot SX60 HSはいわゆる"ネオ一眼"というやつで、レンズが固定式になった一眼レフのような形状をしている。約92.2万ドットの電子式ビューファインダー(EVF)を持ち、大きく、ホールド性を重視したグリップを装備。ちなみに、このグリップは新設計で、同社の一眼レフを含む全商品を検証して導き出した形状とのことだ。