数多くの候補から自分好みのものを選択できるAndroidデバイス。高度なカスタマイズが可能なことも魅力であり強みです。しかし、その反面、わかりにくさを指摘されることもあります。ここではそんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「"格安電話アプリ"にも種類があるの?」という質問に答えます。

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スマートフォンを利用した「電話アプリ」のバリエーションが増えています。いずれも携帯電話会社の通話サービスより格安なこと、他社の携帯/固定電話と通話できることを売りにしていますが、専用アプリを必要とするなどOS標準装備の電話アプリとは使い勝手が異なります。ユーザ登録や通話料金の支払いも携帯電話回線とは別扱いとなるため、サービスの利用にあたり多少の準備が必要です。

電話アプリのひとつの形態として、「IP電話」があります。電気通信事業法および電気通信番号規則の条件を満たすサービスであり、「050」から始まる電話番号が割り当てられることで、固定電話や携帯電話をもう1台増やした感覚で利用できるメリットもあります。日本では、NTTコミュニケーションズの「050 plus」がIP電話型の電話アプリ/サービスとして知られています。

日本全国10円/30秒(税別)という格安料金をうたう「楽天でんわ」は、発信時に0037-68-を自動的に付加することにより、同じ楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズの電話回線を経由した通話サービスを提供します。通話品質は固定電話回線そのままで、現在利用している090/080/070から始まる携帯電話番号を相手の電話に通知することもできます。

LINEアプリ内から発信/着信する「LINE電話」は、新しい電話番号は割り当てられませんが、LINEに登録したスマートフォンの電話番号を相手に通知することが可能です。通話料金は前払い制で、携帯/固定電話に60分かけられるタイプが390円、固定電話だけに60分かけられるタイプが120円(いずれも1カ月有効)と、利用期限内に使い切れば圧倒的な低料金で利用できます。

ただし、いずれの格安電話アプリも110や119などの緊急電話番号にかけることはできません。サービスによっては、音質の劣化や遅延が発生することがあります。その意味では携帯電話会社の通話サービスを完全に置き換えられないため、使い分けるテクニックが必要になります。

格安の通話料金が魅力の「電話アプリ」にも、いくつかの種類があります(画像は「楽天でんわ」)