マウスコンピューターが「iiyama」ブランドの液晶ディスプレイの新製品「ProLite XB3070WQS」を発表した。AH-IPS方式の液晶パネルを採用し、30型・WQXGA(2,560×1,600ドット)という大型モニタながらも、広い色域と高い鮮明度、高視野角を実現。
加えて、16,777,216色の表示が行え、色空間の規格ではAdobe RGB比で109%(カバー率99%)、sRGB比で146%(カバー率100%)の色表現が可能だ。視野角は上下各89度 /左右各89度、輝度が350cd/平方メートルと、AH-IPSらしく非常に広い。標準のコントラスト比は1,000:1となり、Advanced Contrast Ratio機能をONにすれば5,000,000:1の拡張コントラスト比が得られる。またスケーリングにはなるが最大2,880×1,800ドット表示にも対応しているため、必要に応じてさらに高い解像度を利用することも可能だ。
そのほか、眼精疲労を防ぐ「ブルーライト低減機能」や、ちらつきを低減させる「フリッカーフリーLEDバックライト」など新機能も追加されている。入力端子は代表的な4端子、DVI-D、HDMI、Displayport、D-sub(VGA)を取りそろえており、PCやMac、ゲーム機からレコーダーまで接続機器を選ばずに使えるだろう。さらに本体にステレオスピーカーとアナログ音声入出力端子を内蔵しているため、別途スピーカーを用意せずとも音声を再生できるのもポイント。iiyamaブランドらしく、画質だけでなく使い勝手も考慮した設計が行われている。それでいて実勢価格は10万円ほどに抑えられており、そのコストパフォーマンスの高さも魅力だ。
このように高いスペックを備えた「ProLite XB3070WQS」。デザイナーやカメラマン、CGアニメーター、エンジニアなど各種業界のパワーユーザーを想定した製品とのことだが、実際のところその実力はどうなのだろうか? そこで本稿では、プロフェッショナルの生の声を聞くべく、カメラマンの清水隆行氏のスタジオに「ProLite XB3070WQS」を持ち込み、実際に撮影時に使用していただいた。
今回ディスプレイを評価いただいたカメラマンの清水隆行氏。日本大学芸術学部写真学科卒業。出版社、編集プロダクションにて編集業務を学びながらフォトグラファーとして活動を開始。1999年、株式会社ビーフェイスクリエイティブを設立。広告・雑誌媒体を中心に人物撮影を得意とし、作品を発表している |
普段使いのディスプレイと比較! 「ProLite XB3070WQS」の評価は如何に
「ProLite XB3070WQS」の使用感を伺うに当たって今回お願いした撮影は、ディスプレイの特性が見えるような人物撮影だ。モデルの砂川陽香さんを撮影していただきつつ、率直な感想を聞いてみた。
比較対象は清水氏が普段使用しているEIZOの「ColorEdge CG243W」。2009年に発売された同社のフラグシップモデルで、IPS方式の液晶パネルを採用し、Adobe RGBカバー率98%を誇る。当然ハードウェア・キャリブレーションにも対応しており、キャリブレーションセンサーがセットになった「ColorEdge CG243W」の価格は20万円ほどだった。カラーキャリブレーション済みのプロ用機材を前に、出荷時のままの「ProLite XB3070WQS」がどのような評価となるのか楽しみだ。