KDDIの田中孝司社長は31日、ドコモのネットワークを利用したMVNO市場における現状について「ドコモさんのネットワークを利用したものがほとんど。既にauからもドコモさんにある程度流出していると思う。あまり健全な競争環境ではない」と所感を述べた。同社の2015年3月期第2四半期の決算発表会後の囲み取材でコメントした。
同社では、MVNO市場でKDDIネットワーク利用者を拡大することを目的に「KDDIバリューイネイブラー(KVE)」を創設しているが、この進捗状況について聞かれると、田中社長は「いまMVNOに参入したいというお客さんに説明しているところ。これからですね。サービスインの時期については分からない。相手がいることなので」とコメントするにとどまった。
そして「MVNOは低価格が魅力。それがドコモさんばかりになると、あまりよろしくない。いまMVNOのSIMは、ドコモさんのネットワークを利用したものがほとんど。既にauからもドコモさんにある程度流出していると思う。あまり健全な競争環境ではない。遅ればせながら頑張らなくてはいかん、と思っている」と述べた。
VoLTE同士の相互接続については「目処がたっていない。グローバルでも韓国が接続にむけて動き出したというくらい。VoLTEはデータなのか、音声なのかという定義すらグローバルでは食い違っている。詰めていかないといけないことが多い」との認識を示した。