KDDIが31日に開催した2015年3月期第2四半期の決算発表会で、NTTドコモが開始する光回線と携帯電話回線のセット割について、田中孝司社長は「脱法的な行為だと思っています」などと怒りを押し殺した静かな口調でコメントした。

KDDIの2015年3月期 第2四半期決算発表会にて、記者団の質問に回答する代表取締役社長の田中孝司氏

質疑応答の段で「NTT東西の光卸しについて、透明性をどう担保するのか議論している段階で、NTTドコモがセット割をやると発表した。これについてどう思われているか」とコメントを求める一幕があった。

これに対し、田中社長は、「NTTさんの固定系の設備というのは、ボトルネック設備と言いまして、大昔に電話を設置する際にできたネットワークです。必要不可欠な設備を独占して、卸しという形でセット割をやると。これは脱法的な行為だと思っています」と述べた。

同氏は続けて「これはいったいなんだ、というのが本音。最低限、公平性は確保しなければいけないのに、議論の最中にサービスの開始を発表した。いかがなものか。こういったことが起こらないように、我々は10月20日に236社の連名で、総務大臣に要望書を出している。しかし、そんなことが関係ないかのように、ドコモさんは我が道を行かれている。そもそも、日本にイノベーションを起こそうという目的で今回の議論は始まった。懸念していたのは、ただドコモグループがセット割をやるためだけのものになること。ドコモさんが契約をすべて巻き取っていく戦略なのではないか、と疑っていた。案の定、そんな形でやると公表された。何とも言えない気持ちでございます。引き続き、いろんな場を通してコメントさせていただきたい」と話した。

最後に、田中社長は「記者の皆さん、しっかり書いてください」と念を押していた。

(記事提供: AndroWire編集部)