成田空港は2015年4月8日より、LCCの受け入れ体制を強化したLCCターミナル「第3旅客ターミナル」の供用を開始することを発表。このほど、その概要が公開された。

第3旅客ターミナル外観(イメージ図)

増加するLCCにも低コストで効率的な運航を

第3旅客ターミナルビルは第2旅客ターミナルビルの北側(約500m)に位置し、旅客取扱能力は750万人/年間、延床面積約6万6,000平方メートルの規模となっている。「気軽に」「機能的」「わくわく」の3つをコンセプトに、シンプルで使いやすく快適な空間の中でゆったりとした時間を過ごせる空間設計がされている。

出発エリア(イメージ図)

現在、成田空港には、国内LCCが4社・海外LCCが9社が展開している。成田空港におけるLCCのシェア(発着回数ベース)は旅客便全体で、2012年度実績6.1%に対し、2014年度4~9月累計では19.3%にまで増加している。LCCターミナルの設置は利用者の利便性向上のみならず、入居するLCCにとっても低コストで効率的な運航をうながすことになる。

成田空港におけるLCCのシェア(発着回数ベース)

成田空港に乗り入れる国内LCC(2014年冬ダイヤの便数を記載。提供: 成田国際空港)

成田空港に乗り入れる海外LCC(2014年10月30日現在で成田空港に乗り入れが判明している航空会社を記載。提供: 成田国際空港)

深夜~早朝時間帯も使えるスペースも

鉄道または自家用車で来港する場合、第2旅客ターミナルビルよりアクセス通路を利用することになる(もしくはシャトルバスを利用)。陸上トラックのような床面表示に沿ってアクセスができ、途中には数カ所に休憩スペースを設け、ベンチや飲料自販機を設置する。

アクセス通路イメージ図

出発エリア(本館2階/一般エリア)には天井を貼らず、案内表示も床や梁(はり)を活用することで開放感のある空間を演出。コンビニエンスストア(24H営業)や書店等利用者のニーズに応える店舗を配置している。チェックインは同一エリアで国際線・国内線両方に対応でき、ムスリム(イスラム教徒)等の利用者のために「礼拝室」を整備する(この他、制限エリアにも整備)。

出発エリア(本館2階/一般エリア)イメージ図

また、本館2階の一般エリアには、座席数400席程度と国内空港最大のフードコートを設置。寿司やそば・うどん、ハンバーガー、カフェ等バラエティーに富んだ店舗を展開する。なお、深夜~早朝時間帯も休憩スペースとして利用することもできる。

フードコート(本館2階/一般エリア)イメージ図

免税店エリア(本館3階/国際線制限エリア)には、選び抜かれた商品を数多く取りそろえ、様々な旅のシーンをサポート。白を基調とした明るい空間が、出発までの快適な時間を演出する。免税店エリアにはカフェも併設し、買い物後にここで休憩をすることもできる。

免税店エリア(本館3階/国際線制限エリア)イメージ図

さらにブリッジでは、地上約15mから「空中散歩」気分を味わいながら、行き来する航空機を見下ろすこともできるという。2015年4月8日より、LCCでもっと快適な旅が成田から始まることになりそうだ。