忙しいビジネスパーソンの味方、手帳。しかしながら、サイズやカラー、リフィルのデザインが多種多様すぎて、どの手帳が自分に向いているのかを探すのも一苦労だ。そんな人のために、手帳愛好家が設立した横浜の市民団体「日本手帖の会」の事務局長 間辺雄輔さんに「ビジネスパーソンにこそ使ってほしい手帳」を2冊選んでもらった。
【ヨコにも、タテにも、ネタにもなる?】 - ブラウニー手帳
手帳には下から上にページをめくる「縦開きタイプ」と、左から右(もしくは右から左)にページをめくる「横開きタイプ」がある。自分の使い方に合ったタイプを選ぶのがいいのだが、「たまには別の使い方をしたい」と思うことは無いだろうか? そんな人にも嬉しい手帳が「ブラウニー手帳」だ。
デザインカンパニーのbrownie(ブラウニー)が開発した「ブラウニー手帳」(税込2,592円)。間辺さんによると、「ブラウニー社の社長さんが手帳好きで、『理想の手帳を作りたい』ということで出来上がった一品」だそう(画像提供:brownie) |
間辺さん「中を見ると、ページの上と下にそれぞれ日付が印刷されています。横開きで使いたい人は上の日付を、縦開きで使いたい人は下の日付を使う、という形式になっています。この縦横両方開きに対応したフレキシブルなデザインは、特許を取得しているそうです」
間辺さん「横開きで使うときはバーチカル仕様で、『9、12、15、18』と時間軸が印刷されています。1日のタイムテーブルを細かく管理したい人、空き時間を可視化したい人にぴったりです。縦開きはホリゾンタル仕様で、自由に時間を記入できるよう『 : 』マークが印刷してあります。この欄に『13:00 打ち合わせ』と書いて、余ったスペースはメモとして自由に使うことができます。必要な用事だけを把握しておきたい人におすすめの使い方です」
間辺さん「更に各ページは、3つのエリアに色付けされています。それによって、縦開き、横開きという使い方はもちろん、縦横を組み合わせて使うこともできるのです」
例えば、一番左(縦開き)のエリアをプライベート用、真ん中を自由欄、一番右(横開き)のエリアを仕事用と使い分けることが可能。3つのスケジュールを1ページで管理できるので、仕事もプライベートもしっかり満喫したいビジネスパーソンに最適な手帳なのだ。
「ブラウニー手帳」の大きさは文庫本サイズのA6、カバーのカラーはブラック/クリア/エレファント/ライム/オレンジの5種類。価格は税込み2,592円、詳細はbrownieサイトより確認できる。
【常に新しい2週間を見開き表示】 - スライド手帳
2冊目はあたぼうの「スライド手帳 with HIRATAINDER Neo」(以下「スライド手帳」)。リフィルが交換可能なリング式システム手帳で、開発者は中小企業診断士の佐川博樹さんだ。手帳のタイプは左ページに1週間、右ページに次の1週間という2週間見開き型。その週と翌週を一度に見られる見開き型は、スケジュール管理がしやすいというメリットがある。
しかしながら2週間見開き型には、左ページの1週間が終わるとページがまたがってしまうという弱点があることも忘れてはならない。翌週のスケジュールを確認するのにわざわざページをめくらなくてはならず、2週間を"見開き"で使えないということが起こるのだ。だが、この「スライド手帳」はそのようなデメリットをカバーする仕組みになっていると間邉さんは語る。
間辺さん「普通のシステム手帳では、リフィルの片側に穴が合いていますよね? でもスライド手帳は両側に穴が開いているのです。それによって左側の1週間が終わったら、右側のページを左側にスライドさせることが可能になります。つまり、常に左側のページが現在の週、右側のページが翌週という形式にできるのです」
翌週の予定を確認するときも、ページをまたぐ必要がない。常に翌週末までの予定を見通せるので、ダブルブッキングなどのミスも減りそうだ。
間辺さん「もう一つの特徴は、リフィルに日付が印刷されていない『フリータイプ』であるということです。あたぼうのホームページには専用のPDFデータが用意されているので、自宅のプリンタで日付をリフィルに印刷できます。例えば『1月始まり』の手帳を4月に買うと、3カ月分のページは無駄になってしまいますよね。スライド手帳はその心配が不要なのです」
もちろん日付を手書きすることも可能。自分の字で月日を刻むことで、より愛着が湧くかもしれない。更にフリータイプのリフィルであるため、販売する側も在庫を抱える負担が減る。スライド手帳はユーザーだけでなく販売元にも優しい手帳と言える。
また、リフィルの裏面は方眼になっているので、左(右)ページを1週間のスケジュール管理に、反対側のページをメモとして使うことも可能。両側の穴のおかげで、「2週間見開き」としても「1週間のスケジュール」と「メモ」という組み合わせが選べるのだ。
手帳本体を開くとまっすぐ平らになるというのも大きな魅力。机に開いて置くときも、ページを抑えておく必要がないので、スケジュールを確認しながらパソコンやメールをしたい人にはうってつけだ。
「スライド手帳 with HIRATAINDER Neo」のサイズはA5、バインダーのカラーは橙、黒、緑、青、赤。バインダー(リフィル20枚付き)の価格は8,640円~、詳細はスライド手帳サイトより確認できる。
以上が間辺さんおすすめの「ビジネスパーソンに使ってほしい手帳」だ。どれも一般的な手帳における使いづらさを解消する工夫がされており、他社製品とは一線を画している。2015年は普通とはちょっと違ったアイディア手帳を手に、仕事に励んでみてはいかがだろうか。