現在スマートフォンOSとして世界最大のシェアを誇る「Android」を開発した中心人物のAndy Rubin氏がGoogleを退社したと米Wall Street Journalのオンライン版が10月30日(現地時間)に報じている。昨年2013年3月に内部組織変更でAndroidチームを離れ、ロボティクスの新規分野開拓担当になった同氏だが、Google退社後はITハードウェア製品の開発に興味を示すスタートアップ企業を支援するインキュベータ事業を始める予定とのこと。
WSJによれば、GoogleはRubin氏退社後も引き続きロボティクスや関連分野への投資継続を公約しており、同氏の抜けた部門長にはGoogleのリサーチサイエンティストで同部門のメンバーの1人だったJames Kuffner氏が就任するという。Rubin氏が退社した背景は不明だが、1ついえるのはGoogleのロボティクス分野での今後の展開にマイナス面での評価がつくのは避けられないだろうということだ。実際、昨年末までに買収したBoston Dynamics、Schaft、Meka Roboticsといった企業の取引に同氏が関わっているとみられ、製品としての形は出ていないものの、積極投資を行っていた分野のトップの辞職は、内部的な理由はあれ、対外的な印象はあまりよくないだろう。
Rubin氏は、かつてユニークなモバイルデバイス開発で知られていたDangerという企業(後にMicrosoftによって買収)の立ち上げに関わり、その後はAndroidという企業を立ち上げ、モバイルデバイス向けプラットフォームの開発を行っていた。同社は2005年にGoogleに買収されるが、これが後のAndroidの原型となり、世界的に最も利用されるプラットフォームとなった。プロジェクトの難航と、AppleのiPhoneでのモバイル市場参入を受け、製品としては後発となったAndroidだが、2008年に初のAndroid OS搭載デバイスとして「T-Mobile G1 (HTC Dream)」が発表され、その後2年ほどの期間を経て徐々にシェアを伸ばし、現在のポジションを築いている。