連合総研は29日、第28回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)」調査結果を発表した。それによると、消費増税の影響が長引いており、賃金上昇の効果に勝っていることがわかった。
同調査は、2014年10月1日~6日の期間にインターネット上で行われ、首都圏・関西圏に居住する20~64歳の民間企業雇用者2,000人から有効回答を得た。
消費増税の家計支出への影響を尋ねたところ、9月以降も「ある」と答えた人は全体の4分の3以上の77.2%に上り、前回(4月)調査での「増税に伴う家計支出への悪影響の見込み」に対する回答で「ある」とした75.3%を上回った。
属性別に見ると、男女正社員、世帯年収400万円~1,000万円未満の層で、見込みよりも実績の方が「かなりある」と答えた割合が大幅に高くなっていた。
4月以降の賃金改定による賃金増加は4分の1弱の23.5%にとどまり、その増加も過半数の57.1%が物価上昇より小さく、消費意欲への影響は限定的だった。
現在の景気認識D.I.はマイナス13.8(前回マイナス3.3)、1年後の景気見通しD.I.はマイナス20.8(同マイナス15.9)で、景気が悪化するとの見方が強まっていることが判明。また、勤め先の経営状況についても1年前よりも悪化したとの認識が増えた。
職場の人手不足を感じる割合は40.8%で、1年前(34.3%)より増加。特に40歳代は46.1%となり、他の年代に比べて人手不足感が強いことがわかった。