貝印はこのほど、ミカフェート代表の川島良彰氏と共同開発したコーヒーミル「The Coffee Mill」を発売した。「プレミアムシリーズ」の「蒔絵(まきえ)」と「ピアノブラック」は貝印ECサイト、全国のミカフェートにて販売中。価格は各1万円。また「スタンダードシリーズ」の「マットブラック」は、貝印ECサイト、全国の専門店、百貨店で12月より販売予定。価格は4,000円(すべて税別)。
川島氏は、世界の国々でコーヒー栽培の技術指導を行う一方、日本航空のコーヒーディレクターに就任するなど、コーヒーの栽培から抽出まで全工程を熟知するコーヒー専門家で、「コーヒーハンター」と呼ばれている。そんな川島氏と貝印が、家庭でおいしいコーヒーを淹れるためにはまずミルが大事ということで、約3年をかけて共同開発を行った。「どんなに良質なコーヒー豆でも、細かく挽けば挽くほど、苦味やエグミなど悪い成分が出やすくなります。そのため、微粉をどれだけ少なくするかが重要で、今回の開発での大きなテーマでした」(川島氏)。
「道具のメーカーとして、よりよい豆をよりいい形でお客様に届けることを目標に開発しました。真の力を最高に引き立てるという意味で、『The Coffee Mill』とネーミングしています」と、貝印執行役員商品本部の上保大輔副本部長は商品に自信をのぞかせる。
従来のミルは、上下に分かれている挽き臼の部分を一方だけ固定することが多い。挽くときに臼が不安定になりがちで、豆を均一に挽きにくくなり、微分が多く出てしまう原因となっていた。しかし今回の商品では、業界初という新技術「フィックスグラインド機構」を採用し、両方の臼を固定。挽く際にブレをなくし、コーヒー粉の粒度を均一に近づけて微粉を出にくくすることに成功した。
また、「インテリアにもなるように、いかにもコーヒー器具という感じにはしたくなかった」(川島氏)というように、デザイン性にもこだわった。「プレミアムシリーズ」の「蒔絵(まきえ)」と「ピアノブラック」は、加賀の漆職人により一つひとつ手作業で塗装しており、インテリア性も高い。また下に膨らみを持たせつつ、裏面に滑り止めをつけているおかげで、挽く際にもぐらつかず安定感が増している。