IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道、しなの鉄道は27日、国土交通省北陸信越運輸局へ鉄道旅客運賃の上限設定認可申請を行ったと発表した。
2015年3月14日の北陸新幹線長野~金沢間開業にともない、並行在来線(JR信越本線長野~直江津間、JR北陸本線金沢~直江津間)はJR東日本・JR西日本から経営分離され、第3セクター鉄道4社が引き継いで営業開始する。
IRいしかわ鉄道の営業区間は金沢~倶利伽羅間。このほど申請した上限の運賃は、普通旅客運賃と定期旅客運賃(通勤定期)が「現行JR西日本の1.19倍の額」、定期旅客運賃(通学定期)が「現行JR西日本の1.05倍の額」とされた。上限運賃の認可後、届出を行う予定の所定運賃・乗継割引運賃(開業時適用)は、普通旅客運賃と定期旅客運賃(通勤定期)が「現行JR西日本の1.14倍の額」、定期旅客運賃(通学定期)が「現行JR西日本の1.00倍の額」とのこと。初乗り運賃は160円(現行JR運賃140円)、金沢~倶利伽羅間の運賃は360円(現行JR運賃320円)とされている。
あいの風とやま鉄道の営業区間は倶利伽羅~市振間。今回申請した内容のうち、普通旅客運賃に関して、「運賃計算は対キロ区間制を採用し、初乗り運賃を基準に営業キロ区分ごとに加算額を定めた加算方式により算出します」としている。この申請が認可された後、実際に設定する運賃(実施運賃)の届出を行う予定で、実施運賃の予定額は初乗り運賃(1~3km)が160円(現行JR運賃140円)、営業キロ101kmの運賃2,060円(現行JR運賃1,940円)。
えちごトキめき鉄道は市振~直江津間を「日本海ひすいライン」、妙高高原~直江津間を「妙高はねうまライン」として営業開始する予定。新たに設定する運賃に関して、「JRから経営分離される前の運賃と同じ金額を予定しています」「小児運賃および通学定期運賃については、端数処理方法の違いにより10円程度の違いが生じる区間があります」と発表している。初乗り運賃(3kmまで)は140円で、妙高高原~直江津間の運賃は670円、直江津~市振間の運賃は970円となっている。
しなの鉄道は長野~妙高高原間を引き継ぎ、北しなの線として開業予定。上限設定運賃については「しなの鉄道線と同水準の運賃」とし、初乗り運賃(1~3km)は190円、長野~北長野間の運賃は230円(現行JR運賃190円)、長野~妙高高原間の運賃は830円(現行JR運賃670円)に。しなの鉄道線とは「距離を通算して運賃を設定」し、上田~妙高高原間の運賃1,570円(現行運賃1,410円)、屋代~妙高高原間の運賃1,140円(現行運賃1,070円)とされている。
なお、JR線など異なる鉄道会社の路線をまたがって利用する場合、それぞれの鉄道会社の運賃を併算することとなる。一例として、金沢~富山間をIRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道にまたがって乗車した場合、運賃は1,220円(現行JR運賃970円)に。ただし、運賃の併算により、開業前より急激に運賃が上昇する区間もあるため、4社とも乗継割引を実施する予定。利用者への運賃負担の軽減を図るとしている。