和風スナック菓子の定番「おにぎりせんべい」の販売元・マスヤが、その対抗馬ともいえる欧風せんべいを販売していることをご存じだろうか? しかも画期的なことに、同商品発売40周年を迎えた2012年には、萌えキャラとのコラボを始めているのだ。
男性的な「おにぎりせんべい」と違い……
商品の名前は「ピケエイト」。マスヤ主力商品である「おにぎりせんべい」が販売開始となった3年後の昭和47年(1972)に登場して以来、42年間の長きにわたって愛されているロングセラー商品だ。
開発にあたっては、朝食のバタートーストをイメージして、バターの風味を生かしたおしゃれなせんべいを目指したという。そのため、歌舞伎の緞帳をベースに男性的デザインに仕上げた「おにぎりせんべい」に対して、洋風で女性的な雰囲気に仕上げようと、赤のタータンチェックを基調とすることに決めたんだとか。
それにしても気になるのがその名前。かわいらしい響きだが、いったいどういう意味が込められているのだろう?
その疑問に答えてくれたのが、マスヤ・営業本部チームの小林大介さん。「発売当時のピケエイトは波型だったため、フランス語で畑の畝(うね)を表す"PIQUE(ピクェ)"を採用したんです。"エイト"には、開発に関わったスタッフが8名であることや、無限(∞)の可能性を秘めた商品になるようにという想いが込められています」とのことだ。
巫女の萌えキャラとコラボで新境地開拓!
その強い想いが結実して、おにぎりせんべいと並ぶロングセラー商品となったばかりか、発売40周年を迎えた2012年には、萌えキャラとコラボしたことでさらに注目を浴びることとなる。
コラボした萌えキャラは三重県らしく、巫女という設定。名前を「天宮鈴(あまみやすず)」という。「本社のある伊勢市が伊勢神宮のお膝元であることや、1年後に神宮の社殿を建て替える式年遷宮を控えていたことから、天宮鈴とのコラボを思いついたんです」(小林さん)。
キャラ設定も大事な仕事
その結果、萌えキャラブームも後押しして、萌え好きな客がコスプレを披露してくれたこともあったのだとか。そんな客の期待に応えようと、同社webサイトでは天宮鈴が活躍するライトノベル「ミラクルストーリー」まで展開している。
「キャラクターの設定から物語の背景まで、他の萌えキャラにはなかなかない作り込みだと一定の評価をいただいております」と小林さんもうれしそう。
もちろん、お菓子そのものへのこだわりも高い。北海道産発酵バターで味付けしているため香ばしい上に、サクサクの食感が楽しく、ほんのりうす塩味があとをひくのも魅力だ。せんべいとはいえ、気軽に楽しめるバタートースト感覚の塩バター味に仕上げているのがポイントなのであろう。
「コロッケーズ」や「おにぎり坊や」も活躍
また、同社には他にも、「おにぎりせんべい」をはじめとしたバラエティ豊かな商品がそろっているので、ぜひいろいろ試してみてほしい。生地にポテトを練り込んで仕上げにパン粉をまぶしたという、コロッケそっくりなおせんべい「コロッケーズ」なんてものまであるのだが、こちらはパッケージに「コロッケキャラ」が活躍するマンガまで掲載している。
さらに、おにぎりせんべいのキャラクター「おにぎり坊や」は最近LINEスタンプにもなっているし、マスヤはどうやら、とっても遊びゴコロがある会社の模様。なんだか今後も目が離せなさそうな予感大だ。
※記事中の情報・価格は2014年10月取材時のもの。価格は参考税込価格