「野菜ニンニクアブラマシマシで! 」

というRPGの魔法の如き注文フレーズでおなじみの「ラーメン二郎」。山のように盛られたもやしに濃厚なスープ、歯ごたえたっぷりの麺で、「ジロリアン」という中毒者を次々生み出す人気のラーメン店である。そして今や"二郎系ラーメン"は隆盛の時であり、二郎以外にもそれに近い味を売りにした「インスパイア系」と呼ばれる店舗は、都内に相当数存在している。

亜流でないインスパイア系…その実態は!?

しかし、「インスパイア系」というとどうしても"二郎の亜流"と認識されがち。だが中には、独自の路線で舌の肥えたジロリアンをうならせる店舗だってある。その1つが東京都・東北沢駅から徒歩圏の国道沿いに店を構えるインスパイア系屈指の名店、「千里眼」だ。ライトなジロリアンである記者も、その噂を聞きつけ、早速お店に突撃してきたゾ!

東北沢駅から徒歩10分弱で見えてくる「千里眼」。店内では威勢のいいスタッフさんたちが気持ちを込めてラーメンをつくってくれる

今回は「ラーメン」(730円)に「追加豚2枚」(180円)と「味玉」(100円)をオーダー。今か今かと着丼を待っていると……「ニンニク入れますか?」との問いかけが。間もなくラーメンが出てくる合図だ。漢だったらもち全マシっしょ!? ということでドドンッ!!

「ラーメン」(730円)に「追加豚2枚」(180円)と「味玉」(100円)を。言わずもがなのこの迫力!もやしがシャキシャキなのも嬉しい

麺の食感や味わいも見逃せない!

「辛あげ」がスープをオイリーに!

この「辛あげ」こそが、「千里眼」のラーメンをさらにおいしく食せる大きな要因。二郎系は途中で飽きちゃうという人にはオススメ!

相変わらず壮観~!! そして、まず目に入るのは揚げ玉に数種の唐辛子を混ぜてふるいにかけたトッピングの「辛あげ」だ。ピリリとした風味で二郎系ラーメンを少し違った楽しみ方ができると評判。記者もこの「辛あげ」をスープと麺に絡めて一口。

……うん、うまい! ホントうまい!! 真っ赤ではあるものの見た目ほど辛くはなく、程よい辛みがアクセントとなり、カリカリとした歯ごたえもGOOD!! さらに、溶け出した揚げかすがスープをよりオイリーにして、何ともマイルドな味へと変貌させている。

この「辛あげ」は、他店じゃあまり見られないトッピング。店長! これはどういった経緯で生まれたんでしょうか!?

「近隣にラーメン屋が少ないこともあり、二郎系に食べ慣れてない人もよく来るので、そういう人はただボリュームがあるだけでは飽きてしまう。なので、味の変化を楽しめる何かを提供しようということで、オープン前に色々試作し、この『辛あげ』が生まれました」。

普通に食べてヨシ! スパイシーにしてもヨシ! 一杯で二度おいしいなんてお得すぎ!!

濃度にこだわり尽くした絶品ド乳化スープ!!

非常に分厚いチャーシューは季節やその時々により煮込む時間を調整。常に柔らかいチャーシューも売りの1つ

さらに食べすすめてみると、麺とチャーシューのクオリティの高さにも驚かされる。麺は歯切れよく、チャーシューもほぐれそうなほど柔らかだ。そして、特筆すべきはやはりラーメンの命であるスープ。

「濃度計を使ってスープの成分がどれだけ煮出しているかをチェックしてるので、味にブレはありません。豚のだしと脂の層が混ざり込んで白濁し、"ド乳化"と呼ばれるくらいの濃度になっているのが当店の自慢ですね」。なるほど、安定したおいしさを提供する秘訣なわけだ。

数あるインスパイア系でも独自路線を貫く「千里眼」。そのこだわりに舌鼓を打ちたければ、ジロリアンだろうとそうでなかろうと、迷わず来店することをオススメする!