10月11日~12日の2日間にわたって、徳島を中心としたアニメイベント「マチ★アソビvol.13」が開催され、徳島市内の各所でさまざまなイベントが行われた。台風19号の接近に伴い3日間の会期が2日間に短縮されたが、2日間で5万人を超える来場者が訪れた。

10月11日~12日の2日間にわたり、徳島市内の各所で開催された「マチ★アソビvol.13」

台風19号の連休直撃が予想される中、「マチ★アソビ」の仕掛け人の一人であるアニメーション制作会社ufotable・近藤光社長が「徳島県庁と膝つきあわせで打合せ中。大ウルトラCプランが浮上。行けるぞ、行くしかない、行こう! お待ちください。大丈夫です」とツイートしたのは本番の2日前、10月9日のこと。そこから自治体や数十社の関係者、出演者と調整して実現した仰天プランは、会期を3日間から2日間に短縮。しかし「徳島市立文化センター」「ufotableシネマ前」といった会場を急遽追加し、スケジュールの調整を重ねることで「2日目・3日目の予定イベントのほぼ全てを2日目の1日で実施する」というウルトラCだった。まさに突貫作業だが、ボランティアスタッフの奮闘と関連各社の協力もあり、イベントは無事終了した。

急遽3日目から2日目夜にイベントが移動した『トイズドライブ』プロデューサーのブシロード・中村伸行氏は「街ぐるみの学園祭みたいですね」と笑っていたが、この臨機応変さこそマチ★アソビの真骨頂だろう。

期間中はさまざまなアニメ・ゲームなどの声優、スタッフを招いてのイベントが行われたほか、痛車の展示やコスプレ、企業による展示などさまざまな企画が行われていた。会場風景を写真で紹介していこう。

新町川東公園は、春秋の「マチ★アソビ」を通してのメイン会場のひとつで、川面を臨む半円ステージでさまざまなイベントやライブが開催。ステージのラストは「マチ★アソビ」を第1回から支えてきた声優ユニット「つきねこ」の解散ライブも行われている。本来3日目が予定されていた13日には東公園ステージは半ばまで"水没"。近藤社長の英断がさらに光った。東公園沿いのボードウォークには、各企業のパラソルショップが展開。さまざまな作品のプロデューサーやスタッフがたむろしていたり、そこかしこでサイン会が行われていたりするのもマチ★アソビ流といえる。他にも1,000人以上収容のホール・徳島市立文化センターや、商店街の広場でのステージもあった。

秋の「マチ★アソビ」の名物が、徳島の名峰眉山山頂の特設ステージだ。眉山の頂上とふもとを結ぶロープウェーのアナウンスも、会期中は"マチ★アソビ仕様"に。『Fate/stay night[Unlimited Blade Works] 』の遠坂凛(CV:植田佳奈)とアーチャー(CV:諏訪部順一)が掛け合いながら徳島の名所を案内してくれる。山頂に登ると徳島名物の屋台が立ち並び、まるでお祭りのような雰囲気だ。

徳島駅の目と鼻の先、ポッポ街商店街も「マチ★アソビ」の舞台に。グッドスマイルカンパニーのねんどろいど面相(ペイント)チャレンジやバンプレストの一番くじ展示会、コスプレ体験などが行われていたが、一番の目玉は『エマ』や『乙嫁語り』で知られる漫画家・森薫のスクリブルズ=らくがき展。森の鉛筆書きのらくがきやラフスケッチを大量に展示。クリアファイルを手に取れるほか撮影も自由と、ファンにはたまらない内容だった。

「マチ★アソビ」をきっかけに誕生した徳島市唯一の映画館ufotableシネマの入り口を『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』キャラクターポスターがジャック! ロビー内はufotable制作作品を中心としたさまざまな展示がされたほか、2日目の晩には劇場前が急遽イベント会場に早変わりしていた。

「マチ★アソビ」では、ポッポ街で行われているコスプレ体験など、コスプレにも力を入れている。「すだちくん」など地元密着のキャラクターの擬人化コスプレイヤーがいたり、地元のそば店のおばちゃんが店名にちなんで『ドラゴンボール』の亀仙流胴着を着ていたりと、少しずつコスプレが地元になじんでいるのを感じた。

今回の「マチ★アソビ」が特に力を入れていたのが痛車の展示。新町川沿いの広場と眉山山頂にエリアを拡大し、さまざまな痛車が展示されていた。