4月から消費税率が8%にアップし、年間負担増は一般家庭で7万円とも8万円ともいわれています。そのうえ、4月以降、販売価格自体を上げている商品も多くあり、そういった影響も加えると、年間10万円は負担増になっている計算です。実際、日々の買い物をしているときに、重税感をヒシヒシと感じることも多いでしょう。
税率アップによる出費増をどう取り返そうかとまず考えるのは、お金を使わないようにする、つまり節約です。しかし、そもそも洋服もそれほど買わない、飲み代などの交際費も少ない、という人は節約するにも限界があります。それなら、いっそ、「入ってくるお金を増やす」という発想に切り替えるのはどうでしょう?
「増税になっても、毎月の給料は変わらないよ」という人もちょっと待って。空いている時間を使って、月1万円でも2万円でも"プチ稼ぎ"をする手立てはたくさんあります。自分の得意分野と時間配分を考えて、無理のない範囲で挑戦してみませんか?
「自宅にいながら、空いた時間に」 - 月3万円稼ぐ主婦も
自宅にいながら空いた時間にできるのが、「IT系プチ稼ぎ」。誰でもできる初歩的なプチ稼ぎとしてオススメなのは、「アンケート」の仕事。調査会社に登録して、アンケート依頼が来たら回答することで報酬(現金やポイント)がもらえます。まずは、表のような調査会社のサイトにアクセスして登録してみましょう。
アフィリエイトで稼ぐ
ネット上のいわば広告代理店や販売代理店になって、売り上げがあったときにその一部を報酬として受け取るのが、「アフィリエイト」や「ドロップシッピング」。自分のブログを立ち上げ、紹介したいサービスや商品サイトにリンクを張り、読者が資料請求をしたり、商品を買ってくれたりすると、契約に応じた報酬が入ります。
アフィリエイトで月平均3万円の収入がある主婦のAさん。子育てに関する情報ブログを運営していますが、あくまでも子育てママに役立つ情報を提供して、アクセス数を増やすことが第一といいます。アフィリエイトサービスプロバイダ(表参照)が取扱っている広告主のなかから、紹介したい広告をみつけたら、それを自分のブログに貼り付け。場合によっては実際にその商品を購入して使ってみた感想、場合によっては改善してほしいポイントなども書くようにしているとか。「自分が興味のある広告主をみつけて紹介すると、読者にも響いて、資料請求や購入につながり、結果として、収入増につながっています」(Aさん)。
専門資格を利用、PRサイトを立ち上げて顧客獲得
眠っている専門資格や特技を生かすのもひとつの方法。OLのBさんは、筆耕で月平均1万円の収入があります。「書道2段ですが、まあ、小学生時代にとったものです」。会社員になってまた習字を習うようになり、友人から結婚式の招待状の筆耕を頼まれたのがきっかけ。Bさんは宛名書きを1枚=30円で受けており、100枚で3000円の収入。「せっかくなので、"筆耕サービス受け付けます"というサイトも立ち上げたところ、宛名書き以外にも、賞状や応援幕などいろいろな依頼がきて結構、楽しくやっています」。
Bさんのように、空いた時間に特技を生かす副業としては、答案添削や翻訳、英語教室なども、家でできるものとして注目に値します。答案添削は通信教育の答案を自宅で添削する仕事ですが、通信教育会社が年に1~2回添削員の募集をかけた際に応募し、合格すれば、毎月一定量の仕事を受けることができます。
早朝やアフター5、土日を活用して特技を生かすのも、プチ稼ぎの1つの方法。カラーリスト、整理収納アドバイザー、料理教室補助員など、資格を持ちつつ、週末などに顧客を持って、定期的に仕事をしている人は結構多いもの。ただ、こうした仕事は口コミや友人の紹介だけでは、それほど顧客を受けることができないので、先ほどの筆耕サービスをしているBさんのように、自分のサイトを立ち上げて、どんな活動をしているか定期的に写真入りなどで、作品や活動を紹介することが大切になってくるようです。
また、団体の所属することで、仕事を請け負う仕事もあります。会社員のCさんはサッカーの審判の資格を保有しています。「小学校から大学までサッカーをしていました。卒業後にかつて所属していたサッカーチームのコーチをすることになって、ついでに審判の資格も取ったのです」。今でもコーチの仕事もしていますが、これ自体は月1万円程度の収入。毎週の練習や試合参加などの拘束時間を考えると、収入というよりは趣味の一環。「ただし、審判員は試合の格にもよりますが、公式戦なら相応の報酬が出ます。私も最高1万円をもらったことがありますので、得意なスポーツがあるなら、ぜひ審判資格は取るべきだと思います」(Cさん)。
体を動かすのが好きな人向け - 早朝・アフター5のプチ稼ぎ
体力には自信がある。昼間の会社などの仕事以外にもう一つ職場を持ってでも稼ぎたいという人もいるでしょう。早朝・深夜の職場として定番なのはコンビニエンスストアや飲食店の店員。人手不足なので、職場をみつけるのはそうむずかしくはありません。ただし、シフト制できちんと時間に入るのが条件なので、急な残業があるような人には不向き。
派遣社員のDさんは、ベビーシッター派遣会社に登録。仕事が17時ぴったりに終わるので、急いで退社して、19時の保育園のお迎えに向かいます。「週に2日火曜日と木曜日にベビーシッターの仕事をしていますが、子どもが好きなこともあり、あまり負担感はありません」。
主婦のEさんは、スーパーのレジ打ちのパート以外に、早朝6時から8時半まで、近所のお弁当屋で惣菜づくりをしています。「子どもが中学生になって、自分でも朝でかけられるようになったので、仕事を掛け持てるようになったんです」。
プチ稼ぎは何十万円といった単位で収入を増やすのはむずかしいですが、確実にお金が入ってくるのは確か。空いた時間を活用して、マイペースで薦めることが長続きのコツです。また、最初の登録時に多額の登録料などを求める副業サイトなどは、悪徳商法と言った可能性もあるので注意が必要です。
(※写真画像は本文とは関係ありません)
<著者プロフィール>
酒井 富士子
経済ジャーナリスト。(株)回遊舎代表取締役。上智大学卒。日経ホーム出版社入社。 『日経ウーマン』『日経マネー』副編集長歴任後、リクルート入社。『あるじゃん』『赤すぐ』(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から経済ジャーナリストとして金融を中心に活動。近著に『0円からはじめるつもり貯金』『20代からはじめるお金をふやす100の常識』『職業訓練校 3倍まる得スキルアップ術』『ハローワーク 3倍まる得活用術』『J-REIT金メダル投資術』(秀和システム)など。