アイ・オー・データ機器は15日、三菱電機との技術協力によって生まれた液晶ディスプレイ「LCD-RDT」シリーズとして、AH-IPSパネルを採用した23.8型フルHDの「LCD-RDT241XPB」と27型フルHDの「LCD-RDT271XPB」を発表した。11月中旬より発売し、価格はオープン、店頭予想価格は前者が39,800円前後、後者が54,800円前後。

LCD-RDT241XPB

LCD-RDT271XPB

LCD-RDT241XPBとLCD-RDT271XPBは、2014年9月に開催された東京ゲームショウで参考展示されていたもの。2013年12月に、惜しまれつつ個人向け液晶ディスプレイを終息させた三菱電機の技術を、随所に採り入れている。型番の「LCD」に続く「RDT」は、かつて人気を集めた三菱電機の液晶ディスプレイ「RDT」シリーズそのままだ。

ギガクリア・エンジンII(イメージ)

最大のポイントといえるのが、超解像技術「ギガクリア・エンジンII」の搭載。低解像度の映像を処理して解像感を高めたり、肌色部分は処理ぜずに滑らかに再現したり、白飛びや黒つぶれを画面内のエリアごとに改善したりと、さまざまな高画質機能を持つ。

23.8型のLCD-RDT241XPBは、画面周囲のフレームと表示領域がフラットになった「フレームレス」パネルを採用。フレームの最小幅は約6.4mmと短く、マルチモニタにも向く。27型のLCD-RDT271XPBはフレームレスパネルではないが、主な仕様と機能は、23.8型のLCD-RDT241XPBと27型のLCD-RDT271XPBでほぼ同等だ。

フレームレスパネルのLCD-RDT241XPBを3台並べたマルチディスプレイの例

豊富な映像入力を備えるのも、最近の液晶ディスプレイとしては珍しくなりつつある。HDCP対応DVI-D、HDMI、HDMI(MHL)、D-Subに加え、D端子を搭載。今となっては少ないだろうが、D端子の映像出力を持つ古めの映像機器やゲーム機を接続できる。これは貴重だろう。また、主にポータブルゲーム機の映像を想定したスケーリング機能「ポータブル」もあり、720×480ドットの映像を自動で画面一杯に拡大表示する(D端子接続のみ)。

HML接続でスマートフォンをつないだときは、PoutP(Picture out Picture)というユニークな2画面表示が使える。親画面と子画面(スマートフォン)を、画面内で重ならないように表示する機能だ。もちろん、一般的な親子画面のPinP(Picture in Picture)も利用できる。ただし、HDMIとHDMI(MHL)、およびD-SubとD端子のPinPには対応しない。

ゲーム向けの機能として、内部フレーム遅延を0.1フレームまで改善するスルーモードを備える。PinPやPoutP、3次元ノイズリダクションが無効になるといった制限もあるが、応答性が求められるゲームをプレイするときに役立つ機能だ。また、色温度を下げることによって、画面から発するブルーライトを5段階で低減する「ブルーリダクション」機能も時流に乗っている。ケルビンでの色温度プリセットは、5,000K、6,500K、9,300Kだ。

LCD-RDT241XPBのインタフェース類(写真左)、背面(写真中央)、側面(写真右)

LCD-RDT271XPBのインタフェース類(写真左)、背面(写真中央)、側面(写真右)

そのほか主な仕様は、画面がノングレア(非光沢)、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、最大表示色が約1,677万色(10億6,433万色中)、視野角が上下左右とも178度、輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1、応答速度(GTG)が14ms、オーバードライブ最大時の応答速度(GTG)が3.2ms。

LCD-RDT241XPBとLCD-RDT271XPBの付属リモコンは共通

本体内蔵のスピーカーは、23.8型のLCD-RDT241XPBが2W+2W、27型のLCD-RDT271XPBが2.5W+2.5W。スタンド機能はチルト(上20度/下5度)のみだが、23.8型のLCD-RDT241XPBは3段階の高さ調節が可能だ(100mmピッチ)。VESAマウントは100mmに対応している。

本体サイズ/重量は、23.8型のLCD-RDT241XPBがW540×D170×H361~391mm/4.8kg、27型のLCD-RDT271XPBがW643×D230×H445mm/6.8kg。両者とも、映像入力の切り替えやOSD操作を行えるリモコンが付属する。