フォルクスワーゲン グループ ジャパンは14日、国内の電気自動車では唯一、5ナンバーサイズとなる4ドアハッチバック「e-up!(イー・アップ!)」と、世界のベンチマークカーである「ゴルフ」のEV仕様「e-Golf(イー・ゴルフ)」の2モデルを日本に導入すると発表した。

フォルクスワーゲン「e-up!」

両モデルはともに、日本でもすでに発売されている「up!」「Golf」をベースにEV化したモデル。バッテリーは床下にバランスよく配置して搭載されているため、高い安定感と上質な乗り心地を実現した。バッテリーはともにリチウムイオンで、容量は「e-up!」が18.7kWh、「e-Golf」が24.2kwh。

モーターは、「e-up!」が最大出力82PSで、0-100km/h加速は12.4秒。最高速度は時速130kmで、航続可能距離はJC08モードで185kmを確保した。「e-Golf」は最大出力116PSのモーターにより、0-100km/h加速は10.4秒に。最高速度は時速140kmで、航続距離は215kmとなっている。両モデルともにドライブモードを「Normal」「ECO」「ECO+」から選択可能で、これにより航続距離を伸ばすことができる。

充電については、200Vの普通充電ポートと日本の急速充電規格である「CHAdeMO(チャデモ)」用の充電ポートを両モデルともに標準装備。充電量がゼロの状態から満充電までに要する時間は、普通充電で「e-up!」が約8時間、「e-Golf」が約9時間。急速充電では両モデルとも約30分で約80%まで充電することができるという。

「e-Golf」

「e-Golf」はインフォテイメントシステム「Discover Pro」により、航続可能距離をわかりやすく表示。車両のセッティングによる電力消費も計算して、バッテリーを再充電しなくても往復できる可能性があるエリアを360度で表示することができる。日本仕様には、冬季の暖房による電力消費を抑えるためのヒートポンプも標準搭載している。

「e-up!」にはディスプレイ「touch+more」が装備されており、バッテリーの充放電などエネルギーフローの状況をリアルタイムに表示する。ドライバーの運転状況もつねに監視し、より最適なエコドライブができるようにアドバイスする「Think Blue. トレーニング」機能も搭載している。

「e-up!」「e-Golf」に搭載される電気モーター、ギアボックス、バッテリーシステム、付属電子装置、制御ソフトなどは、すべてフォルクスワーゲンが自社で開発、製造しているとのこと。価格と発売時期は、「e-up!」が366万9,000円(税込)で、2015年2月1日から受注開始し、納車は年央の予定。「e-Golf」は2015年の年央の発売予定とされ、価格は「後日あらためて発表します」としている。

なお、フォルクスワーゲンでは、両モデルの発表を記念し、星野リゾートとのコラボレーションを実施する。リゾナーレ小浜島とリゾナーレ西面島でそれぞれ、「e-up!」「e-Golf」に試乗できる1泊2食付きの宿泊プランを用意。自然と触れ合えるリゾートで環境負荷の低いEVの魅力を体験できるという。