大和証券グループはこのたび、日本政策投資銀行(以下DBJ)が7日に発行した、第1回DBJグリーンボンド(第53回MTN)の引受主幹事を務め、その概要について発表した。
同起債においては、DBJが2011年から運用している不動産のサステイナビリティに関する評価制度であるDBJ Green Building認証制度により認証が付与された物件向け融資を資金使途とするという。
同起債は、日本が発行体として初というユーロ市場におけるグリーンボンド。引受主幹事は、Merrill Lynch International、Morgan Stanley&Co.International plc、Citigroup Global Markets Limited、及びDaiwa Capital Markets Europe Limited。
DBJは、投資家に対して、環境・社会的意義の高いプロジェクトに対して投資を行う機会を提供することを企図し同起債を行ったという。マーケティングにおいては、社会的責任投資に関心の高い多様な投資家から旺盛な需要を集め、オーダーブックは短時間で750百万ユーロ以上に到達したという。
同起債ではFjarde AP Fonden,IKEA group,Municipality Finance Plc,Nordea Funds,Omega Global Investors,Pictet Asset Management,TheWorld Bankを含めた26の投資家へ販売。特に、社会的責任投資に関心の高い投資家より非常に強い需要を確認し、発行額全体の70%超が社会的責任投資家に購入されたという。投資家属性別販売構成は、中央銀行・公的機関60%、アセットマネジャー15%、銀行12%、保険・年金6%、その他7%となった。また地域別販売構成は欧州40%、米国オフショア25%、アジア18%、中東・アフリカ17%となった。
DBJは、1970年前後の公害対策をはじめ、これまで40年以上にわたり環境対策事業に対して3兆円以上の投融資実績を有しているという。2004年度には、それまで培ってきた知見をもとに、「DBJ環境格付」融資の運用を開始した。この他、2011年度には、「DBJ Green Building 認証」制度運用を開始し、環境や社会に配慮した取り組みを金融面からサポートしているという。同起債は、この「DBJ Green Building 認証」により「3Stars」以上の認証がなされた物件向け融資資金に発行代わり金を充当するもの。なお、プロジェクト選定や資金管理等の体制については、外部認証機関であるDNV GLよりオピニオンを取得している。
同起債に関し、Daiwa Capital Markets Europe Limitedの投資銀行部門ヘッドであるクリストファー・ブラウン氏は、「DBJは今回の起債を成功裏に終えたことで、称賛されることになるでしょう。今回債は本邦発行体による初のグリーンボンドであるうえ、革新性に富むテーマを掲げたことで、多くの積極的なSRI投資家を取り込むことに成功しました。また、旺盛な投資家需要を背景にガイダンスのタイトサイドで条件決定しており、起債に向けたDBJの入念な投資家との対話が実を結んでいます。非常に輝かしい成功事例であると共に、他の発行体にとっても参考となる事例だと認識しています」と話している。
大和証券グループでは、社会的課題を投資により解決することを目指すインパクト・インベストメントを積極的に手掛けており、DBJグリーンボンドの引受によりその取組みを一層推進することができたとしている。