お笑いコンビ・オリエンタルラジオ(以下オリラジ)の中田敦彦と藤森慎吾が、9日に放送されたテレビ朝日系のバラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(毎週木曜24:15~)で、"奈落の底"時代に起こった衝撃エピソードを語った。
大きな失敗をしてしまった"しくじり先生"が毎回訪れ、しくじり学園の生徒たちに「しくじらないための処世術」をレクチャーする同番組。若林正恭(オードリー)が担任先生役を務め、生徒役として吉村崇(平成ノブシコブシ)、澤部佑(ハライチ)、ラフレクラン、中村静香、菊地亜美が出演した。前回の放送では、"天狗からの転落人生"を振り返ったオリラジ。「武勇伝」のネタで一世を風靡するも、デビュー3年で抱えた10本のレギュラーはすべて終了。ところが、本当の地獄はその先にあった。
レギュラー番組が終わる予兆として、反響がない「無反応期」、番組の企画に手が加えられる「テコ入れ期」の次に訪れるのは「パラシュートタイム」。中田は、底まで落ちたと思った後の下降期間をこのように表現し、「みなさんが思っているより下り坂は長くて暗いんですよ」と語る。この「パラシュートタイム」の特徴は、「モア ハード」「モア スモール」。中田いわく、仕事が「よりエグく」「より小規模」になるという。藤森は当時を思い出したのか「あったなぁ」と表情を曇らせた。
中田は「パラシュートタイム」での2つの事例を紹介。1つは、山を切り開いて1年間農業を続け、村人との交流を深めていく企画。さまざまな苦難が彼らを待ち受けていたが、「一番きつかったのは、オンエアされてないこと」だった。中田は「ゴールデンの番組はいろんな企画を同時進行させている」と背景を説明。半年経っても放送されないことに気づいた村人たちは、「これ、本当にテレビ?」と疑いはじめたのだという。中田は「オンエアされないという体の張り方が一番きつい」と熱弁。当時、藤森がチャラ男として再浮上する前の出来事だった。
2つ目の事例は韓国ロケでの「中田、整形する」という企画。中田は「顔は勘弁してください」とスタッフに頼み込み、手相を整形することに。プチ整形程度に考えていた中田だったが、実際は6人がかりの大掛かりな手術だった。ところが、その映像を見た上層部が「ちょっとエグすぎる」と判断し、まさかのお蔵入り。その後、中田の手は完治までに1カ月を要した。整形された箇所が、さまざまな神経が集中している「ノーマンズランド」(立ち入り禁止区域と形容される部分)と呼ばれている範囲だったことから、日本の医師はその手のひらを見て絶句したのだという。
2週にわたって行われたオリラジの授業。最終章は「それでも夢を見られるか ~未来を決めるのは君だ!~」で、中田は「1度持てはやされて、失墜して、地べた這いずり回って、いろんな物を切り開いて。それでも夢見られんのかという話です」と投げかける。一度しくじった人がよく口にする「下方修正された夢」。「とりあえず食っていきたい」「かつてライバルだったあいつを今度は応援したい」などとつぶやいて自分の小さなプライドを守るのではなく、中田は「そうじゃねえんだよ! しくじって、そっからだろ!」と再び立ち上がることが大事なのだという説く。「負けてから ビッグマウスに なる勇気」という言葉を残し、「こっからですよ、勝負は!」。最後には生徒たちに「一度でも上がったり下がったりすると少しだけ優しくなれる」と語りかけ、授業を締めくくった。