日本経済研究センターは9日、民間エコノミストら42人(機関)による景気予測をまとめた2014年10月の「ESPフォーキャスト調査」の結果を発表した。それによると、2014年度の実質経済成長率(前期比年率、以下同)予測は0.34%となり、前月調査(0.48%)から0.14ポイント下方修正された。引き下げは3カ月連続で、2013年4月の予測水準まで低下した。
下方修正の主な要因は民需の低迷。民間消費は前月比0.27ポイント低下のマイナス2.14%、民間住宅は同0.70ポイント低下のマイナス9.13%、設備投資は同1.92ポイント低下の3.23%、輸出等は同0.18ポイント低下の6.06%と、全て下方修正された。
7~9月期の実質経済成長率予測は3.66%で、前月より0.35ポイント低下したものの高い数値を維持。10~12月期は2.26%で、前月比は0.23ポイント低下した。
消費増税の影響を除いた消費者物価上昇率予測は、2014年度が1.16%(前月1.17%)、2015年度が1.18%(同1.16%)にとどまった。
次の景気転換点(山)はもう過ぎたかどうかとの質問に対し、「はい」と答えた人は11人で前月の4人から7人増加。一方、「いいえ」は30人だった。同調査では、2014年1月をピークに「景気後退局面に向かった可能性が強まっている」とし、「仮に景気後退局面に向かったとすると、今回の景気上昇は14カ月で、戦後の我が国の景気循環としては昭和50年代初めの『安定成長景気』、20世紀末の『IT景気』の22カ月を下回る最短命景気になる」と分析している。