東京商工リサーチは8日、円安に起因する「円安」関連倒産の調査結果を発表した。それによると、2014年1~9月に発生した「円安」関連倒産は前年同期比140.4%増の214件となり、前年同期の89件に比べて2.4倍に急増した。
2014年10月1日の東京外国為替市場では、一時、約6年1カ月ぶりに1ドル=110円まで円安が進んだ。急激な円安は、輸出企業を中心に収益を押し上げる効果がある一方、海外からの輸入に頼るエネルギー、資源、食料品など幅広い分野で価格が上昇するため、コスト増の影響などにより中小企業の倒産も急増している。
2014年1~9月に発生した「円安」関連倒産は前年同期比140.4%増の214件と、前年同期の89件に比べて2.4倍に拡大。負債総額は626億5,900万円で、前年同期より104億7,600万円増加した。
産業別に見ると、自動車貨物運送業などの運輸業が81件(構成比37.9%)で最も多く、高止まりする燃料価格が影響したことがうかがえる。次いで、製造業が44件(同20.6%)、卸売業が41件(同19.2%)、サービス業他が19件(同8.9%)、小売業が11件(同5.1%)と続き、幅広い業種で倒産が発生していることがわかった。
東京商工リサーチは「円安の影響は原材料の高騰を招き、収益悪化が中小企業の体力を消耗させる。今後の為替相場の動向によっては収益悪化に加え、さらに価格競争による売上低迷なども懸念される」としている。