10月7日より千葉県の幕張メッセで、IT・エレクトロニクスの総合展「CEATEC JAPAN 2014」が開催されている。この記事では、カーオーディオ・カーエレクトロニクスに関する展示のうち、一般ユーザー向けのものからいくつかをピックアップしてレポートする。
音声と先読みでナビやオーディオの操作負担を軽減 - 三菱電機
三菱電機ブースでは、10月2日に発表したオーディオナビシステム「NR-MZ90PREMI」を搭載した車両と「自動車向け簡単操作インターフェース」の技術展示が行われている。
NR-MZ90PREMIは、NEW MINIに搭載。そのサウンドを体験できる。使用されているスピーカーは、フロントのツイーター×2本、リアのフルレンジ×2本、シート下のウーファー×2本で、いずれも純正品。ヘッドユニットだけをNR-MZ90PREMIに交換した環境だ。
NR-MZ90PREMIには、「マルチウェイ・タイムアライメント」などの補正機能が搭載されており、純正のスピーカーを使用した場合でも、ドライバー席での正しい音の定位を実現可能だ。リスニングルームに設置したピュアオーディオシステムに近いサウンドクオリティを、カーオーディオシステムで体験できる。
自動車向け簡単操作インターフェースは、自動車用のナビやオーディオを簡単に操作するために開発されたもの。カーナビやカーオーディオは、機能が高度になるにつれて操作も複雑になる傾向があるが、簡単操作インターフェースは、ドライバーが操作したい項目を先読みして選択肢を提示する操作システムだ。日付や時刻、現在地、それまでの操作履歴などから選択肢を絞り込む。
筆者が体験したデモでは、まず「ゴルフ場にいきたい」と話しかけると、よく行くゴルフ場が3件リストアップされた。ステアリングの横に配置された1~3のボタンで選択すると、そこが目的地に設定される。また、ゴルフに行く際に、よく同乗する友人もリストアップ。これもボタンで選択すると、相手に電話をかけるというものだった。
なお、音声認識はクラウド上のデータベースに加えて、携帯端末のアドレス帳データを使用。これにより高精度の認識を実現しているとのことだ。
交通環境を改善するビッグデータ情報サービス - トヨタ
トヨタブースでは、ビッグデータ情報サービスと、T-Connectのデモコーナーが設けられている。
ビッグデータ情報サービスは、専用通信機(携帯モジュール)を搭載したトヨタ車からの走行データを集計したサービス。現在、この通信機を装備した車は日本国内で70万台以上走行している。走行速度だけでなく、ABSの使用回数などもデータとして集計。写真は10月6日のもので、赤い丸印がABSが使用された場所だ。台風が上陸したため、通常よりもABSの使用率が高いという。
集計したデータを基に、リアルタイム渋滞予測や危険箇所の洗い出しなどが行われている。リアルタイム渋滞予測は2007年モデル以降の純正ナビに搭載。VICS範囲外の細かな道の渋滞情報も利用できる。
また、この集計データを活用したプロジェクトも進行中だ。愛知県では、2013年よりABSが頻繁に作動している場所の調査を実施。路面の状況や交差点の形などの問題が指摘されている。
T-Connectは、通信によって接続されたナビに、スマートフォンのようにアプリをインストールして使用できるというもの。車両情報を活用したアプリ、コミュニケーション用のアプリ、情報収集のためのアプリなどがトヨタから提供されている。
また、トヨタではT-ConnectのSDK(ソフトウェア開発キット)を配布しており、同社以外からもT-Connect向けのアプリがリリースされている。写真は、パナソニックが提供しているエアコン操作アプリのデモだ。
AppleのCarPlay対応AVメインユニットや次世代HUDを展示 - パイオニア
パイオニアブースでは、AppleのCarPlay対応AVメインユニット「SPH-DA700」のデモと、現在開発を進めている次世代HUD(ヘッドアップディスプレイ)の技術展示が行われている。
SPH-DA700は国内で初めてCarPlayに対応したAVメインユニット。iPhoneを接続することで、電話や音楽再生、地図表示やSNSなどの操作を、すべてSiriの音声操作で行うことができる。
現在リリースされているHUDでは、ナビからの情報のうち、ドライバーに必要最低限なものをチョイスして表示される。次世代HUDでは、これに加えて車載カメラやセンサー、クラウド情報、車車間・路車間通信の情報の中から、ドライバーに必要なものをチョイスして表示する。
これにより、前の車がハザードを出した際に、HUDでドライバーに通知したり、車間距離が縮まっている場合に警告を行ったりすることが可能となる。また、リアルタイム渋滞情報から、どの車線を進むべきかをアドバイスしたり、ドライバーの視界に入ってきていない危険を知らたりせる機能も開発中だ。