財務省は8日、2014年8月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は2,871億円の黒字となった。黒字は2カ月連続。黒字幅は前年同月比で1,299億円(82.7%)増加した。
「貿易・サービス収支」「第2次所得収支」が赤字幅を拡大したものの、「第1次所得収支」が黒字幅を拡大したため、黒字幅が拡大した。
貿易・サービス収支は1億826億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で308億円拡大した。赤字は29カ月連続。
貿易収支は8,318億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で892億円拡大し、8月としては過去最大となった。金属加工機械などの輸出が増加したのに対し、液化天然ガスなどの輸入の増加が上回ったことにより、赤字幅が拡大した。
輸出額は前年同月比537億円(1.0%)増の5兆6,492億円で、18カ月連続の増加。輸入額は同1,429億円(2.3%増)の6兆4,809億円で、3カ月連続の増加となった。
また、同省関税局がまとめた2014年8月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比758億円(1.3%)減の5兆7,063億円となった。主要地域別では、対米国が同466億円(4.4%)減、対EUが同319億円(5.6%)増など。商品別では、有機化合物が同495億円(21.1%)減、金属加工機械が同226億円(23.4%)増などとなった。
輸入額は前年同月比975億円(1.4%)減の6兆6,560億円。主要地域別では、対中国が同747億円(5.2%)減、対米国が同622億円(10.8%)増など。商品別では、原粗油が同629億円(5.2%)減、液化天然ガスが同190億円(3.3%)増などとなった。
サービス収支は2,508億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で584億円縮小した。訪日外国人旅行者数が8月として過去最高を記録し、「旅行収支」の赤字幅が縮小したほか、知的財産権等使用料の受取が増加したことなどにより、「サービス収支」の赤字幅が縮小した。
第1次所得収支は1兆5,199億円の黒字で、黒字幅は前年同月比で2,591億円(20.6%)拡大し、8月としては過去最大となった。直接投資に係る配当金・配分済支店収益の受取増加などにより直接投資収益が増加したことに加え、証券投資に係る配当金の受取増加などにより証券投資収益も増加したため、黒字幅が拡大した。
第2次所得収支は1,503億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で984億円拡大した。