秋の行楽シーズン! でも、旅行先の天気が心配……。そんな人に合わせて、旅行先で雨が降ったら旅行代金を還元してくれる天気保険があることをご存知だろうか? 今回は天気保険など、新種の保険をそろっている「少額短期保険」について紹介しよう。
かゆいところに手が届く保険
「少額短期保険」とは文字通り保険料が少額で、保険期間が短期である保険のこと。従来の保険が手の届かなかったニッチなニーズに対応してくれるのが特徴で、いわば"かゆきところに手が届く保険"といえる。具体的にどんなものがあるのか調べてみた。
雨の場合は旅行代金を還元する「お天気保険」
旅行先で3時間・6時間・10時間の降水を連続して記録した場合、旅行代金を還元してくれるのが「お天気保険」(海外旅行は10時間のみ)。保険料は旅行会社が負担する。仕組みとしては、雨の場合に保険会社から旅行会社に保険金が支払われ、旅行会社から保険申込者には現金・割引・ポイント・旅行券といった形で旅行代金が還元される。
例えば、宿泊予約サイトのベストリザーブで「お天気保険付プラン」を選んだ場合、お天気保険の加入料は宿泊代金の10%で、宿泊日当日に所定の3時間に連続して降雨があった場合は、宿泊代金が100%現金で戻ってくる。
コンサートやお芝居には「チケット保険」
突発的にコンサートやお芝居に行けなくなってしまった時の備えとなるのが「チケット保険」だ。チケットガード少額短期保険の「チケットガード」は、コンサートや芝居の当日、自分の病気や家族の病気、宿泊出張などの理由で行かれなくなった時にチケット代金を補償してくれる。
同行を予定していた人が所定の理由で行けなくなり、自分も行かなかった場合にも補償がある点も面白い。保険代金の目安は、7,000円のチケットで約690円、1万円のチケットで870円。当日になって慌てなくて済む安心感や、行ける人に格安に譲り渡すことを考えると、支払ってもいい金額な気はする。
遭難時の捜索・救助費用に備える「レスキュー費用保険」
気軽に山登りを楽しむ人が増えた今こそ、チェックしたいのが「レスキュー費用保険」。平成25年度の遭難者は、2,713人(※)で、ひとたび遭難事故が起きると、捜索や救助に思いがけない費用がかかる場合がある。山岳遭難の場合、通常は地元の警察か消防が捜索・救助活動にあたるが、警察や消防のヘリが使えない場合、民間のヘリを使うと1時間あたりおよそ50万円。また地元の山岳遭難対策協議会のメンバーらが出動した場合は人件費や装備、保険料、食糧費なども遭難者本人や家族の負担となる。
レスキュー費用保険だと年間保険料は5,000円で、1年間365日のあらゆる山岳活動、アウトドア活動の捜索・救助費用を補償してもらえる。ちなみに先の資料(※)の「山岳遭難の態様別」を見ると、道迷いが41.8%と最も多い。このレスキュー費用保険なら、道迷いや疲労、病気などの場合でも捜索・救助費用を補償してくれるのが心強い。
※平成25年中における山岳遭難の概況・警察庁生活安全課地域課より抜粋
この他に「ペット保険」、「婚礼参加者傷害保険」、賃貸住宅に住んでいる人専用の「家財保険」など、「へぇ~、そんな保険があるんだ」というラインナップがあるのが興味深い。詳しくは、日本少額短期保険協会のホームページを参考にしていただきたい。
少額短期保険業界には生命保険や損害保険のように、会社破綻リスクに備えて契約者を保護する機関、いわゆる「契約者保護機構」がない。そこは念頭におきつつ、少額短期であるメリットを生かして、自分のニーズによりフィットした保険を探してみては?
※本文と写真は関係ありません
筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)
1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。生活に役立つ情報を「主婦er」にて更新中。