パナソニックは2日、コンバーチブルPCとして世界最軽量の745gを実現した、10.1型モバイルPC「Let'snote RZ4」をはじめ、同社製ノートPC「Let'snote」シリーズ秋冬モデルの発表会を開催した。
発表会では、パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長や、テクノロジーセンター ハード設計第一チームの星野央行主任技師が登壇。「Let'snote RZ4」の特徴やコンセプトを紹介した。
また、「Let'snote RZ4」のイメージキャラクターを担当する、女優の比嘉愛未さんも登場。「Let'snote RZ4」の印象やプロモーション映像の製作秘話を語った。
「Let'snote」の2014年秋冬モデルは、10.1型コンバーチブルPC「Let'snote RZ4」、12.5型の2in1ノートPC「Let'snote MX3」、14型ノートPC「Let'snote LX3」、12.1型ノートPC「Let'snote SX3」の4シリーズ。各製品の詳細は下記の個別記事に詳しい。
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軽量&長時間駆動、「鞄に入るPC」
登壇した原田事業部長は、「Let'snote RZ4」の開発経緯について、「ユーザーから『鞄に入るPCが欲しい』『個性的な自分だけのPCが欲しい』といった要望があった」と説明。
「Let'snote RZ4」のポイントとして「軽量」「堅牢性」「Core Mの採用」「長時間駆動」などを挙げ、今回「世界最軽量のハイブリッドモバイルが誕生した」と語った。
法人向けモバイルPC市場の出荷台数で年平均22%の成長率を見込み、2018年にはLet'snoteシリーズ累計で500万台の出荷台数を目指す。
約745gを実現した新技術
星野央行主任技師は、まず「Let'snote RZ4」のサイズ感に触れ、「大学ノートと同じ大きさ。10.1型の液晶はLet'snote史上最大となる1,920×1,200ドットで、アスペクト比16:10で、ビジネスで多い縦型の文書に対応した」と紹介した。
また、約745gという重量を実現するため、天板、トップキャビネット、ボトムキャビネットを極限まで薄肉化した。特にトップキャビネット部では、強度が必要な部分だけ厚みをもたせ、それ以外の部分は極限まで薄くする「VHフレームストラクチャー」技術を取り入れている。
例えばタッチパッド部は0.8mmと厚く、キーボード左側は0.4mmと薄くするなど、0.8mm~0.4mmの範囲で厚い部分と薄い部分を設定し、厚い箇所をビスで固定することで、軽さと強度を確保した。
また、液晶部には硬度の異なるダンパーを組み合わせ、LCDに加わる負荷を軽減する複合ダンパー構造が採用されている。
また、JEITA 2.0測定法で約10時間という駆動時間について、新開発の高容量セルや、省電力が特徴の2in1向け最新CPU「Core M」の採用、高効率なバックライトシステムの開発などを、長時間駆動の要因とした。
高容量セルは、既存の11.6型コンバーチブルPC「Let'snote AX3」に搭載されるバッテリセルから、サイズを3分の2に縮小しながら、1セル9,234mWhの容量を実現。また、Core Mの搭載にあたっては、インテルの協力で綿密なチューニングを施したことで、大幅な電力削減を行えたという。
端子はHDMIやD-Sub、USB 3.0をサポート。「全て標準サイズ。変換ケーブルが不要でどこでも使える」こともポイントの1つだ。キーボードは1.5mmストロークとし「長時間の文書祖作成もOK」と解説した。ほか、入力支援のユーティリティとして、キーボード入力時、タッチパッドに手が当たることで発生する誤操作を防ぐ「タッチパネル誤動作防止ユーティリティ」、特定のウィンドウを拡大して外部ディスプレイに映し出せる「画面共有アシストユーティリティ」も用意する。
耐100kgf加圧も健在「薄型化と堅牢性を両立」
「Let'snote RZ4」の開発秘話や、新色「ブルー&カッパー」の採用については、機構設計やプロジェクトを担当する、パナソニック ITプロダクツ事業部 テクノロジーセンターの金子晴香主任技師と、ITプロダクツ事業部 国内営業グループ 小原好晋主事らが解説。
金子主任技師は、「Let'snote RZ4」の開発に際して、「『世界最軽量』を目標とし、750gを切る製品を目指した」という。当初はどこまで軽くできるか見当もつかなかったが、家の骨組みから着想を得て生まれた『VHフレームストラクチャー』の採用などでめどが立ち、「試行錯誤しつつも薄型化と堅牢性の両立を実現できた」と自信をみせる。
「他のLet'snoteとタフさも劣らない。耐100kgf加圧、76cm落下試験をクリアしなければ、Let'snoteとはいえない」(金子主任技師)。
また、本体カラーの設定やプロモーションなどを担当する小原主事は、新色「ブルー&カッパー」について、「人と違うカラーを持ちたい、という声があった。今までLet'snoteを使ったことがない人にも訴求できる」とコメント。
塗装は最も気を使った部分といい、「量産化までの短期間で、発色を追求しながら塗装の耐久性を持たせることに苦労した。配合が異なると耐久性が低くなってしまう」という裏話も飛び出した。