エプソンは2日、ウエアラブルデバイス3機種を発表した。同日に発表会を開催し、高精度な脈拍計測によって多彩な機能を実現した腕時計型の2機種「PULSENSE」「WristableGPS」と、ゴルフスイング解析システム「M-Tracer For Golf」の新モデル「MT500GII」をお披露目した。
1日を脈でまるごと可視化する「PULSENSE PS-500B」
PS-500Bは、加速度センサーに加えて、独自の高精度脈拍センサーを搭載した腕時計型ウエアラブルデバイス。加速度センサーだけでは体の動きしか計測できず、運動強度や消費カロリーを正確に計測することが難しい。しかし、あわせて脈拍の計測をすることで、体にどのくらいの負荷がかかっているか、という運動強度や消費カロリーをより正確に計測できる。
脈拍を計測することで、睡眠の状態と心の状態をモニタリングする付加機能を実現した。睡眠判定機能では、眠っている間の脈拍推移をモニタリングして、睡眠状態を「浅い」「深い」で判定。脈拍と活動量から睡眠に入ったことを検知して、自動で睡眠モードに切り替える。心の状態を計測する「こころバランス」では、非運動時の脈拍の推移を見て、特に脈拍が高かったところを「エキサイト」、低かったところを「リラックス」として記録。1日の状態を可視化する。
計測データはスマートフォン用アプリ「PULSENSE View」から確認可能だ。アプリでは活動時間や歩数、移動距離、カロリー収支、睡眠状態、こころバランスを管理できる。また、「エキサイト」と判定された時刻、場所、心拍数が自動で保存されるので、その時何があったかなどの詳細をユーザーが後から書き足せるようになっている。
本体サイズはW35×D14×H45mm、重量は44g。対応する腕回りサイズは140-190mm。バッテリーは容量75mAhのリチウムイオン電池で、充電は付属のクレードルで行う。脈拍連続計測時間は約36時間となっている。防水性能として、3気圧防水を備える。メモリを内蔵しており、480時間分のデータを記録可能だ。対応OSはAndroid 4.4以上、iOS 7.1以上、およびWindows Vista/7/8/8.1。
また、PS-500Bのほかに、本体の液晶モニターとパソコンとの連携機能を省略した「PS-100」シリーズも用意する。カラーはブラックとターコイズブルー。両モデルとも発売は11月6日だ。価格はオープンで、エプソンダイレクトショップでの販売価格は「PS-500B」が税別19,800円、「PS-100」シリーズが税別14,800円となっている。
簡易的に計測データを確認できる(写真では歩数を表示)。上部ハートマーク横の数字はリアルタイムで計測されている心拍数 |
アプリからは6種類の計測データを振り返れる |
アプリからは「こころバランス」を確認できる。指で示したオレンジ色のマークは「エキサイト」を表している |
胸ベルトいらずで心拍トレーニング - 「WristableGPS SF-810」
SF-810シリーズは、GPSと独自の高精度脈拍センサーを搭載した腕時計型のウエアラブルデバイス。心拍トレーニングでの使用を想定している。従来モデルでは、心拍数を計測するために胸ベルトを巻く必要があったが、このたびのSF-810シリーズでは脈拍センサーの精度を高めることで、胸ベルトの装着が必要なくなった。計測データは、パソコンやスマートフォンからアクセスするWebアプリ「NeoRun」で管理できる。
本体の厚みは14.2mm、重量は52g。防水性能として5気圧防水を備える。GPS信号測位と毎秒ごとの脈拍計測を同時に行った場合、連続で20時間動作可能だ。メモリを内蔵しており、約70時間分のデータを記録できる。NeoRunの推奨ブラウザはFirefox、Google Chrome、Safariの最新版、Internet Explorer 9以上だ。カラーはブラックとバイオレット。発売は10月17日。価格はオープンで、エプソンダイレクトショップでの販売価格は税別37,800円となっている。
ゴルフスイング解析システム「M-Tracer For Golf」の新モデル「MT500GII」
MT500GIIはゴルフクラブのグリップ部分に取り付けるセンサー。専用ソフトウェアと使用することでユーザーは自分のスイングを解析できる。従来モデルからスイッチボタンの操作性を向上。アプリ、Webサービスともに機能を充実させるなどのブラッシュアップが図られた。
発売は10月8日。価格はオープンで、エプソンダイレクトショップでの販売価格は税込29,800円となっている。
次ページでは、製品コンセプトやテクノロジー、販売戦略についての発表会レポートをお届けする。