天気が雨だと憂鬱(ゆううつ)な気分になることがありますよね。「足元がぬれて靴下までぬれてしまう」「髪の毛のまとまりが悪くなる」など、雨天時は気を遣うことが多く見られるようになります。
天気と体調の深い関わり
さらに体調に変化を感じる方もいるのではないでしょうか? 「古傷が痛むと雨が降る」と言われ、雨が降ると頭痛を訴える人が多くなる傾向もあるなど、天気と体調には昔から深い関係があります。長野県では「女がさわげば天気が悪い」と言われている地域もあるそうで、特に女性が天気に敏感に反応すると考えられてきたようです。
では、なぜ雨だと体に不調が起こるのでしょうか? まず、雨が降る時には、低気圧の通過などで気圧が下がります。この気圧低下によって体内の水分循環が悪くなり、体がむくみ、古傷などの痛みを引き起こします。さらに脳の血管が膨張して神経を刺激し、頭痛の原因にもなっていると考えられます。これら気圧や気候の変化によって起こる不調のことを「気象病」と言います。
日に日に気温が下がる秋は要注意
秋は晴れたり、数日おきに雨が降ったりと、天気の変化が大きい季節です。これは暑い夏と寒い冬の変わり目で、低気圧や移動性高気圧が日本付近を通るためです。同じく天気の変化が大きい春も、気圧の変化が大きくなります。
加えて秋は台風シーズンでもありますから、気圧変動が非常に大きい時期です。日本で暮らす私たちは、これらの四季によってさまざまな恩恵を受けていますが、そのぶんコロコロ変わる天気にうまく適応しなければなりません。
また、気温も体に与える影響は大きいです。秋や春は、気温差によるストレスで自律神経のバランスを崩しやすくなるため、より体のあちこちに痛みを引き起こしやすくなると考えられます。
特に気温が日に日に下がっていく「降温期」である秋は、女性の大敵「冷え」に一層の注意が必要になってきます。秋は、昼間は太陽の力で日なたにいるとぬくもりを感じられますが、朝晩はぐっと冷え込む日が多くなります。
一日の気温差が8度以上あると体調に影響が
例えば、郊外から東京都心に通勤・通学する場合は、10月中頃の昼間は都心で22度前後まで気温が上がるのに対し、家を出発する早朝や夜の帰宅時の郊外は10度近くまで一気に下がります。昼夜の気温差が10度前後にも達するということがあるわけです。
一日の気温差が8度以上あると、体に大きな影響を与えるとも言われているため、秋シーズンの気温差は注意しなければいけないのです。夏の暑さにすっかり慣れていた体にとっては、急な冷え込みは体にこたえますね。冷えは血行を悪くし、だるさや疲れやすさ、消化不良などの気象病につながるおそれがあります。
海外では同じ天気が10日前後続くことも珍しくありませんが、日本は日々の気圧配置の変化が大きいので、天気の変化にうまく対応できるようになりましょう。
マイナス5度で洋服を1枚余分に
天気予報を見るポイントとして、「雨が降るのか」「気温はどれくらいになるのか」なども重要です。ただ、「風が吹くのか」「空気は湿っているのか、乾いているのか」などの要素が入ることで体感温度は変わってきます。
気温で服装を選ぶ際の一つの判断目安として、「気温5度で洋服1枚」という言葉があります。そのため、前日より気温が5度低くなる時は、1枚多く服を着るとちょうど良くなります。また、同じ気温でも風が1メートル吹けば、体感温度は1度低下すると言われています。風が強い日は最高気温よりも低めに気温を見積もり、服装を選ぶようにしましょう。
日々の天気をチェックして、どんな気象条件の時に、自分の体調に異変が現れやすいのかを記録しておくと、あらかじめ対策をとることができます。天気予報をうまく活用して、体調管理に努めましょう。
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筆者プロフィール: ライフビジネスウェザー
ライフビジネスウェザーは、生活に密着した生活気象(ライフウェザー)と業務上役立つ産業気象(ビジネスウェザー)を応用し、市場のニーズに合わせて1kmメッシュという高解像度気象予測をコンテンツ化。提供する“しくみ”や表現方法までこだわり、実生活や業務で使えるツールを企画・開発・販売しており、建設現場・スポーツ施設・流通向けなど、さまざまな分野で活用されている。