味の素はこのほど、母親および教員を対象とした「最近の子どもの生活態度」に関する調査の結果を発表した。同調査は、5月GWが明けた2014年6月初旬、全国の3歳保育園児から小学校3年生までの子どもをもつ母親200名、および全国の3歳保育園児から小学校3年生までを担当する教員200名を対象に行ったもの。
教員の5割以上が、ここ数年の園児・児童の心身の発育バランスに不安
教員向け調査の結果、以前の児童との比較において、ここ数年の園児・児童の「心理・精神状態の安定」は約5割の教員が「安定していると思わない」(52.5%)と回答。「運動能力」については約8割が「十分に発達していない」(79.5%)と答えた。
「キレる」「暴力的に振る舞う」「顔から転ぶ」子どもが以前より増えた
「心理・精神の状態と行動」についても、以前の子どもに比べ現在の子どもは、精神面での発育バランスの悪さを推測させる「落ち着きがない」(42.5%)、「必要な時に感情を抑えられない」(40.5%)、「噛みつく・叩くなど、暴力的な振る舞いが多い」(35.0%)などが増加傾向にあることがわかった。
また、運動面での発育バランスの悪さを推測させる「顔から転ぶことがある」(28.5%)、「予想外の部位に怪我・骨折をする」(30.5%)などについても「以前よりも当てはまる」と回答した教員は高い水準で一定数いた。
生活習慣の乱れに伴う"手を掛けすぎる母親"像が浮き彫りに
母親向け調査の結果、子どもの「睡眠」については、95%以上の母親が「平均睡眠時間は8~10時間」以上と回答した。しかしながら、「就寝時間」に関しては約5割の母親が「まちまち/決まっていない」(47.0%)と回答し、「寝るように言わないと就寝しない/言っても就寝しない」との回答は約7割にのぼった。
また、子どもの「起床」に関しては「朝決まった時間に起こさないと起きない/起こしても起きない」(55.0%)、「声を掛けないと支度を始めない/声を掛けても支度を始めない」(42.5%)との回答が寄せられ、朝の始動には時間が掛かる子どもの様子がうかがえた。
さらに、「食べるように言わないと、朝食を食べない」(28%)、「起こさないと、布団の中でグズグズして起きない」(28%)、「親と一緒でないと眠れない」(38.5%)などの結果なったことから、最近の母親は就寝・起床、食事など、子どものあらゆる生活面に対して手を掛けていることがうかがえた。
「子どもの食事」のうち「母親が食べさせたい食材」について、子どもが慢性的に嫌いとされる緑黄色野菜が1位(84.0%)、第2位が魚介類(77.0%)となっており、脳の発育に必要なDHAを含む魚介類の必要性は高く認識されていることがわかった。
「子どものおやつ」に関して、「おやつを食べる頻度」は「ほぼ毎日」(63.5%)だったが、「おやつの与え方」に関しては「好きなものを食べさせる」が22.0%、気を遣うとしても「塩分」(26.0%)、「糖分」(20.5%)、「カロリー」(20.5%)であり、「栄養素」への考慮は6.0%と低かった。