総務省が30日に発表した2014年8月の労働力調査(速報)によると、8月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の3.5%となり、3カ月ぶりに改善した。また、厚生労働省が同日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.10倍となった。

完全失業率を男女別に見ると、男性は前月から横ばいの3.8%、女性は前月比0.5ポイント改善の3.2%。年齢階級別では、男性は「35~44歳」で悪化、「15~24歳」「25~34歳」「45~54歳」で改善。女性は「45~54歳」を除く全ての年齢階級で改善した。

完全失業者の対前年同月増減と完全失業率(季節調整値)の推移(出典:総務省Webサイト)

完全失業者数(原数値)は前年同月比40万人(14.8%)減の231万人と、51カ月連続の減少。男女別では、男性は同25万人減の141万人、女性は同14万人減の91万人となった。求職理由については、「勤め先や事業の都合による離職」が同13万人減の44万人、「自発的な離職(自己都合)」が同8万人減の93万人となった。

就業者数(原数値)は前年同月比53万人(0.8%)増の6,363万人と、20カ月連続の増加。就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値)は同0.5ポイント上昇の57.4%で、このうち15~64歳の就業率は同1.1ポイント上昇の72.8%だった。男女別では、男性は同0.8ポイント上昇の81.7%、女性は同1.2ポイント上昇の63.6%となった。

雇用者数は前年同月比38万人(0.7%)増の5,600万人と、20カ月連続の増加。役員を除く雇用者数は同37万人増の5,253万人だった。雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員数は同4万人減の3,305万人、非正規は同42万人増の1,948万人。役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は前月比0.1ポイント上昇の37.1%となった。

一方、厚生労働省が同日発表した2014年8月の一般職業紹介状況によると、8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.10倍となった。1倍を超えるのは10カ月連続。

求人、求職および求人倍率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

都道府県別の有効求人倍率を見ると、最も高かったのは東京都の1.62倍、最も低かったのは埼玉県、鹿児島県および沖縄県の0.74倍だった。

新規求人倍率(季節調整値)は前月比0.04ポイント低下の1.62倍。正社員有効求人倍率(同)は前月から横ばいの0.68倍となった。

有効求人数(季節調整値)は前月比0.2%減の222万3,039人。有効求職者数(同)は同0.2%増の204万2,768人となった。

新規求人数(原数値)は前年同月比0.6%減の77万8,650人。産業別に見ると、宿泊業、飲食サービス業が同6.6%増、医療、福祉が同5.6%増、製造業が同1.6%増などとなったのに対し、学術研究、専門・技術サービス業が同7.8%減、サービス業(他に分類されないもの)が同7.1%減、情報通信業が同6.5%減などとなった。