歌舞伎役者の市川海老蔵が29日、都内で行われた市川海老蔵特別公演『源氏物語』、シンガポール公演 JAPAN THEATER『古典への誘い』の制作発表に出席した。
2015年2月28日から4月9日まで全国18都市43公演が行われる『源氏物語』は、オペラや能などを融合させた市川海老蔵の意欲作。また、今年11月14日から16日にシンガポールで行われる舞台は、国内各都市で自主企画公演を始めた『古典への誘い』が公演される。
会見に臨んだ市川は「今年の4月にはメトロポリタンオーケストラのアンソニー・ロス・コスタンツォさんをお招きして作らせていただきましたが、今回は多くの地方都市を回るということで、アンソニーさんではなく日本のオペラ歌手の方に歌っていただき、歌舞伎、お能、お華などを中心に『源氏物語』を作っていくことになりました。4月に上演した『藤壺の巻』を中心にしていこうと思っています」と説明。シンガポール公演については「ヨーロッパは比較的伺わせていただいていますが、アジアの公演は考えていませんでした。ですが、シンガポールは伸びていきそうな国。それに便乗しようと思って選びました。今回は自力に近い公演ですので、日本の伝統文化を紹介する新しい力になっていきたいと思います」と意欲を見せた。
シンガポール公演が行われるマリーナベイサンズといえば、シンガポールの街並みを一望できる展望台が有名で、世界一高い場所にあると言われるプールも人気スポット。「楽しみにしていることは?」という質問に「(プールで)泳ぎます(笑)。家族は置いていきますね」と即答。それに絡めて昨年3月に生まれた長男・勧玄くんの話題となり「昨日も扇子を持って踊ってましたけど、歌舞伎役者にとは思っていません。人生はその人のものですから。やりたいかは、もうちょっと大人になって聞こうかな」と話していた。また、病気静養中の坂東三津五郎については「この前の納涼歌舞伎の時は元気そうだったので心配ですよね。中村勘三郎さんに父(十二代目市川團十郎)という大きな柱を亡くした中、次の世代の柱が三津五郎さん。元気になってもらわないと困りますね」と心配そうだった。