首都圏と地方都市との二地域を拠点にして生活する新たなライフスタイルを“ダブルプレイス”と定義し、市内外に向け情報発信するプロジェクトを栃木県宇都宮市が開始する。このほど、宇都宮市役所で開かれた定例会見後の記者懇親会で佐藤栄一市長が発表し、ロゴマークをお披露目した。
2009年から「宇都宮ブランド戦略」と称し、“住めば愉快だ宇都宮”をコンセプトに、“市民の誇りと市外からの憧れ”のイメージアップを目的として、市民参加型事業をはじめ、マスコットキャラクターの投入や地元グルメの宇都宮餃子などを活用した様々な取り組みを行ってきた同市。2014年度はさらに一歩進んだ施策としてこの“ダブルプレイス”を打ち出し、宇都宮ブランド戦略を加速していくという。
ダブルプレイスとは、経済的・精神的な負担を伴う移住や拠点化を求めず、現在の居住地や拠点とは別のもう1つの地域と関わりを持つことで"暮らし"を楽しむというライフスタイル。都内から新幹線で30~40分程度という首都圏とのアクセスのよさを武器に、2地域を行き来しながら生活を楽しむライフスタイルをPRし、推奨していく。さらに、ダブルプレイスを楽しむ人を通じた外からの視点で市の魅力を発信し、宇都宮市民をはじめ周辺自治体に居住する人々にも同市の価値を再認識してもらいたいとしている。
県中部に位置し、栃木県の県庁所在地として人口約52万人を擁する北関東の中核都市である宇都宮市。佐藤栄一市長は「首都圏からの交通アクセスのよさや都市としての利便性だけでなく、自然もあり、都会と田舎の良さを双方ほどほどに合わせ持った“とかいなか”が宇都宮市の魅力」とアピール。事業を推進する市の担当者は「平日と週末を都会と田舎で暮らす二地域居住やセカンドハウスというライフスタイルが昨今人気となっているが、少しハードルが高くなるそれらに対して、本気で田舎暮らしをする前のステップとしてもっと気軽に二拠点を持つライフスタイルを楽しむ場所として宇都宮は最適な場所。市外からやってくる人を通して、宇都宮市民にも地元の魅力に気づいてもらい、誇りに思ってほしい」と新たなプロジェクトに向けた意気込みが語られた。
今後は、“ダブルプレイス”への理解認知に向けた情報発信をはじめ、市民参加型のワークショップや、首都圏在住者向けのイベントの開催を予定しているほか、年内にFacebook公式ページを開設し、市民交流の場を展開していく。